本物のプロフェッショナルは、試験・検査しなくても、仮説で解決策が分かっているのでは?

会社員時代(10年以上前)、私は急に頭痛に襲われたことがありました。
死ぬほど痛いわけではありませんが、ずっと痛みの続く、いやな感じの頭痛です。
熱もなく、いつもの風邪やインフルエンザではないような気がしていました。
次の日、普通に内科に行き、風邪ということで風邪薬をもらいました…。
ところが、頭痛は治りません。
そこで、普段通院している心療内科の先生に相談しました。
睡眠薬などの数を少し減らしたり調整しました…。
ところが、頭痛は治りません。
なんとかしたかったので、今度は、大きな病院の脳神経外科に行ってみました。
すると問診票と2、3分の会話だけで医師は次のように言いました。
「この後、すぐに耳鼻科に行ってください。紹介状を…」
頭部・脳のCTなどの検査を何もしないまま、私はそのまま耳鼻科に回されました。
そこで、診断を受けてみると…
「急性の蓄膿症ですね。膿が顔全体に広がっているので、薬で治していきましょう。」
その薬のおかげで、一週間ほどで、頭痛は治りました。
病院をはしごすることで、真の原因・解決策にたどりつくという、よくあるケースでした。
…あれから10年。
私は会社員を辞めてフリーランスとなりました。
本業のコンサルティング経験も25年を超えました。(ベテランの域になってきました。)
若手のコンサルタントと一緒に仕事をする機会も増えてきました。
先日、あるクライアントのプロジェクトで、運用しているシステムの評価・診断を行う機会がありました。
そのとき、若手コンサルタントは300項目以上ある評価シートを使って、イチからヒアリングしてました。
その評価シートを使えば、誰でもどこに問題があるか可視化できるという便利なものです。
コンサルタント業界ではよくある標準化ツールです。
私は、主担当ではなかったため、横でそのヒアリングを聞いてました。
若手コンサルタントは、ひとつひとつ真面目にヒアリングしていましたが…。
そのとき、私は、心の中で、次のような仮説を立てていました。
”そもそもの原因は、システムじゃないんだよな…。真の原因は、組織構造にあって、このままいくと、A部門とB部門は確実に衝突するだろうな…”
案の定、数ヶ月後、そのプロジェクトはA部門とB部門の対立により、一時休止となりました。
プロジェクトとしては不幸な結果となりました。
ただ、私の予想自体は的中していたわけです。
最近、幸か不幸か、上記のように、ビジネス分野においては、私の予想が当たるケースが多くなってきました。
何百社も、お客様の支援をさせていただいていると、どこかで似たような経験をしたことがあり、だいたいの結末の想像がつくようになってきたのです。
・システムの問題で呼ばれたのに、システムの問題ではなく組織の問題だった
・ある部門のシステム構築なのに、そこだけ構築しても全社的には意味がないことが分かった
・業務的な効果を出したいのに、システムを導入することだけが目的となっていた
これが、いわゆる経験値というものなのでしょう。
皆まで聞かなくとも、真の原因、解決策、そこに至るまでの道筋・期間など、なんとなく想像がつくようになってきたのです。
若い頃にはなかったことです。
「!!!」
私は、冒頭の頭痛のケースを思い出しました。
脳神経外科の医師は、詳細な検査をすることなく、私に、耳鼻科に行くように提案しました。
これも、その医師の豊富な経験値によるものなのではないかと。
たくさんの患者と向き合ってきた中で、私と似たような問診票は数多く見ており、検査しなくても頭の中で「これは蓄膿症だろう」と仮説を立てていたのではないか。そして、その仮説の検証を耳鼻科で行い、早めに治療すれば、一週間程度で治ることも、すべてお見通しだったのではないか。
AIや検査技術の進展も目覚ましいですが、人間の経験値というのもまんざらではないなと思い始めています。
ベテランはベテランなりに、多くの経験値があり、ある程度、リスクや落としどころが見えているんだと。
コンサルタントとして、自分に少し自信がついた瞬間でした。
これからも、クライアントが最善の策をとれるように、
・若い人たちの元気や最新の流行・知見
・データ・AIによる合理的な判断
に加え、私のようなおじさんの経験値もうまく融合して、社会貢献していければと思います。
















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