黒字でも倒産する理由:経営者が最優先で見るべき数字はこれだけ

私は52歳のフリーランスです。
業務改革コンサルティング業や不動産賃貸業を主たるビジネスとして、実質ひとり法人(合同会社)の経営を行っています。
その際、教科書などで勉強したことと経営実務では、かなりの乖離があることを日々実感しています。
現金が尽きる恐ろしさを、私はフリーランス経営で何度も見てきました。
今回は、そのあたりの点について書いてみたいと思います。
財務指標よりも優先すべきもの
簿記や財務の勉強をすると、売上高営業利益率やROE、自己資本比率など、企業分析に使われる指標がたくさん登場します。
もちろん、これらは企業の収益性や安全性を判断する上で欠かせません。
ただ、実務を通して感じているのは、こうした静的な指標よりも、もっと経営にインパクトを与えるものがあると痛感しています。
それが
「運転資金に対して、どれだけすぐに動かせる現金・預金を持っているか」
という一点です。
黒字倒産が示すシンプルな現実
会社は利益が出ていても倒産します。
いわゆる黒字倒産です。
その原因は、資金が尽きることによります。
仕入代金の支払い、給与の支払い、家賃の支払い、外注費などは、利益とは関係なく、毎月必ず湯水のように出て行きます。
帳簿上の利益がどれだけあっても、手元現金がなければ、経営はその瞬間に止まってしまいます。
つまり、会社の安定は、損益計算書ではなく、
現金・預金の残高
にあるのです。
会社は「あと何ヶ月生きられるのか」が勝負
経営で最も重要なのは、ざっくりと言えば、
「月の売上高に対して、何ヶ月分の現金・預金を保有しているか」
という非常に実務的な尺度だと思っています。
あなたの会社の現金・預金は月額売上の何ヶ月分ありますか?
業種業態によって、適正な値は異なりますが、理想としては6ヶ月分、最低でも3ヶ月分くらいの現金・預金は保有しておきたいものです。
月額の売上に対して、6ヶ月分の現金・預金があれば、コロナ禍などで売上ゼロが2、3ヶ月続いたとしても、とりあえず持ち堪えることが可能となります。
この余裕があるだけで、柔軟な経営判断ができるようになるでしょう。
融資=悪ではない:金利は「倒産しないための保険料」
日本の中小企業・小規模事業者には、借金アレルギーが根強く残っています。
ただ、私は、この借金アレルギーを恐れすぎるのはどうかと思っています。
借金をすると、元本に加えて、金利(利息)を追加で支払うことになります。
これがアレルギーの元となっているわけですが…
この金利はコストであると同時に、
「倒産リスクを低下させるための保険料」
でもあります。
資金がショートしてしまうことが、最も危険なことです。
早めに融資を受け、キャッシュポジションを厚くしておくのは賢明な判断だと思っています。
むしろ、余裕のあるときに融資を活用できるかどうかが、経営者の危機管理能力そのものだと言えるでしょう。
年1%の金利で1000万円借りても、年間10万円です。
生命保険を支払うイメージで捉えればいいと思います。
まとめ:現金預金こそ最大の安全装置
法人経営において、財務諸表を理解することは大切です。
しかし、もっと大切なのは
「今、会社は何ヶ月生きられるのか?」
というシンプルな現実を把握しておくことです。
利益率が多少低くても、現金・預金が厚い法人は、立て直す猶予ができるため、生き残ることができます。
逆に、利益率がどれだけ高くても、現金・預金が尽きればその時点でジ・エンドです。
現金・預金こそ、経営における最大の安全装置です。
資金繰りを制する者が、経営を制するといっても過言ではないでしょう。
まずは、現時点における手元の現金・預金残高を確認してみてください。
「あと何ヶ月生きられるのか」
の把握こそが、経営の第一歩だと思います。
法人経営・ひとり社長が知っておきたい基本知識まとめはこちら:
















ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません