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更地にすると税金6倍? 空き家問題を悪化させる固定資産税の違和感

社会・時事

日本の空き家が増え続けています。

総務省の調査によると、全国の空き家は約900万戸。

すでに7戸に1戸が空き家という、先進国でも例のない状況です。

人口減少や高齢化、相続放棄など、さまざまな要因が挙げられますが、私が長年、不動産や現場を見てきて痛感するのは、

空き家問題は「所有者の怠慢」ではなく「制度が作り出した構造問題」だという点です。

特に大きいのが「固定資産税の住宅用地特例」という仕組みです。

ボロボロでも「建物があると固定資産税は6分の1」という構造

固定資産税には、住宅用の土地に対して、税金を大きく軽減する制度があります。

建物が残っている土地→固定資産税は6分の1

築50年で誰も住んでいなくても「住宅が建っている」というだけで税金は大幅に下がります。

更地にすると固定資産税は満額

つまり、空き家を解体して更地にすると、翌年からの税額が6倍近くに跳ね上がる。

これは所有者にとって

・壊すと損をする
・放置した方が得

という逆インセンティブそのものです。

直すほど損、壊すと罰金のように高くなる

地方の現場では、こんな声がよく聞こえます。

・解体すれば税金が跳ね上がるから壊せない

・売りたいけど更地にすると負担が大きすぎる

・結局、老朽化するまで放置するまで放置するしかない

行政としては、早期の解体・活用を促したい。

しかし、制度は放置するほうが合理的という真逆の行動を誘導しているのです。

「空き家問題は、構造的に放置される仕組みになっている」

これが現場感としての実態です。

制度を見直せばすべて解決?ただ副作用も…

固定資産税の6分の1特例を見直すべきという議論は、ここ数年で急速に広がっています。

しかし、制度を変えれば変えた上で、別の深刻な問題が生じる可能性もあります。

空き家問題は、それほど繊細で複雑なテーマです。

以下、制度見直しにより想定される副作用を整理していきたいと思います。

①相続しただけの人の税負担が急増する

空き家の多くは「親の家を相続したケース」です。

特例がなくなると、解体した瞬間から税額が跳ね上がり、経済的に追い詰められる世帯も出てきます。

地方では、買い手がつかず「相続放棄が増える」リスクも想定されます。

②一斉に更地化が進み、街そのものがスカスカになる

もっとも起こりやすい副作用がこれです。

・所有者が一斉に解体へ動く
・郊外や商店街周辺が更地だらけになる
・住宅密度が下がり、上下水道・道路などの維持コストが上昇
・自治体財政が逆に苦しくなる

つまり、更地が増えれば自治体の負担が増えるという皮肉な構造ですらあるのです。

③家賃相場が下落し、既存の賃貸大家がダメージを受ける

「更地が増える→新築戸建てが増える→賃貸需要が低下」

という流れもあり、家賃の下落圧力が生まれます。

地方の収益不動産はさらに厳しくなり、投資市場にも不安定な要素を与えることになります。

④税収の大きなブレが自治体を不安定化させる

固定資産税は自治体税収の柱です。

・更地が増えると税収が増える
・しかし、建築促進で逆に空き家が減ると税収が減る

制度の変更は自治体にとっても大きなリスクになります。

必要なのは「一律の廃止」ではなく「段階的な見直し」

空き家問題の現場を見ていると

「6分の1特例を廃止すれば空き家が減る」

という単純な話ではないことがよくわかります。

制度を見直す際に重要なのは、

・壊した人だけを優遇する
・壊した人だけを罰する

のではなく、

地域全体のバランスを維持する仕組みを作ることだと考えています。

その上で、現実的な方向性は次の2点だと思っています。

・段階的な特例縮小(いきなり6倍にしない)
・都市部・過疎地で別ルールを認める柔軟な運用

人口動態も市場も地域格差が大きい以上、一律の税制では、どこかにひずみが出てしまうのは避けられません。

まとめ:空き家問題は「人の問題」ではなく「制度の問題」

空き家問題は、単に「放置する人が悪い」のではありません。

人は合理的な行動をとっています。

「制度が行動を誘導し、その結果として空き家が増えている」

これは日本全体で見ても明らかになりつつある構造です。

そして、その制度を見直す場合は、

「新たな副作用を引き起こさない慎重な設計」

が必要です。

空き家を減らすには

・放置した方が得

から

・動いた方が得

というインセンティブ設計に変えること。

これが、これからの日本における地域再生・住宅政策の大きなカギになるのではないかと感じています。

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Posted by かずきび47