三角形の重心みたいに…大阪の「本当の中心」は意外なところにある

三角形の重心。
数学が苦手な方でも、聞いたことはありますよね。
三角形の三本の中線が交わる、あの一点。
紙で三角形を切り抜いて、鉛筆の先で支えると、ふしぎとバランスよく立つ…
それが重心です。
実は「大阪府」にも同じように重心が存在します。
しかも、面白いことに、重心は次の2種類があり、この2つはかなりズレているのです。
・地理的な重心
・人口的な重心
順番に見ていきたいと思います。
地理的な重心は大阪市南部に存在する
形として「大阪のど真ん中」になる場所
大阪府は、北は能勢の山地、東は生駒山地、南は和泉山脈、西は大阪湾という構造になっています。
これらを含めた大阪府全体の「形の中心」を計算すると、意外にも大阪市の南部寄りに重心があることが分かります。
阿倍野区〜住吉区あたりという説
具体的には、阿倍野区晴明丘や住吉区帝塚山付近という計算例もあります。
いわば、大阪府という紙を手のひらに置いたら、このあたりが「ど真ん中」になるイメージです。
人口の重心はもっと北東に寄っている
吹田・豊中・東大阪側へ重心が動いていく理由
ところが、人口の重みで見ると、大阪府の中心は大きく北東側へ寄ります。
理由はシンプルで、北摂(吹田・豊中・茨木)、そして東大阪・八尾といったエリアの人口が多いためです。
・千里ニュータウン
・江坂〜新大阪ライン
・大阪市北区〜福島区の都心部
・東大阪市・八尾市の住宅密集地
このあたりが強く「人の重さ」を北東に引っ張る構造になっています。
梅田〜北摂ラインが強すぎる現実
大阪市内の中心機能も、梅田・中津・天六など北側が圧倒的な強さを誇っています。
再開発中のうめきた2期、新御堂筋沿線の強さ、JR京都線・御堂筋線の鉄道利便性などが、人の流れを北側に集中させているのではないかと思われます。
このため、人口的な重心は年々じわじわと吹田市寄り/東大阪市寄りへ移動していると言われています。
2つの重心のズレが語る「大阪らしさ」
地形・交通・開発の流れがそのまま反映
・地理的な重心:大阪市南部(阿倍野・住吉)
・人口的な重心:北摂・東大阪方面(吹田・豊中・東大阪)
このズレは、大阪府が、
「山と海にはさまれた狭い平野に、北側に伸びる都市軸を形成してきた」
という歴史そのものです。
人口的な重心の移動は「大阪の未来を示す針」
さらに言うと、人口的な重心はゆっくり北東方向へ動いています。
北摂の開発、東大阪の住宅地化、うめきたの新開発など、現在の大阪の伸びる方向と完全に一致しています。
つまり、人口的な重心の動きは、
「大阪の未来を示すコンパスの針」
のようなものだと捉えています。
地理的な重心と人口的な重心のズレを知るだけで、大阪という都市の特徴や発展の方向性が、地図の上で立体的に浮かび上がってくるのです。
どの市町村が大阪の重心を引っ張っているのか?
なお、大阪府内のどの市町村が「重心の位置」に大きく影響しているのかも、少し触れておきたいと思います。
結論から言うと、重心を強く引っ張っているのは、次の3つのエリアです。
・大阪市北部(北区・淀川区・東淀川区)
・北摂エリア(豊中市・吹田市・茨木市)
・東大阪市・八尾市などの東部エリア
これらは人口規模が大きいだけでなく、いずれも「大阪市の北東側」に位置するという共通点があります。
てこの原理のように、北東方向に人の重みが集中することで、人口的な重心が年々そちらへ移動していると考えられます。
逆に、堺市や泉州(岸和田・貝塚・泉佐野など)は人口が多いものの、南側・西側へ広く分散しているため、重心を大きく動かす力は比較的弱いとされています。
つまり、
「北摂+大阪市北部+東大阪」の三角形が、大阪の重心を北東へ押し上げている
というわけです。
重心を分析するというのも面白いですね。
大阪の地形・歴史・都市構造をもっと深く知りたい方はこちら:
















ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません