「家賃でローン返済」はもう古い?金利上昇時代の不動産投資戦略

書店には、不動産投資の書籍が並んでいます。
「平凡なサラリーマンがローンを組んで物件購入し、副業として家賃収入を得ることができるようになりました!」
といったサクセスストーリーも今は昔。
2024年、日銀のマイナス金利解除以降、不動産投資の常識が変わりました。
「ローンを組めば勝てる時代」は終わり。
現在は「金利上昇」と「価格高騰」という二重苦の中にあります。
実際、私自身も、複数の区分マンションを法人・個人で保有する中で、利回り低下を実感しています。
2025年、東京と大阪で異なる現実
2025年現在、日本は物価高に悩まされています。
長らく続いた低金利時代が終焉を迎え、ローン金利がじわりと上昇しています。
さらに、不動産価格は、建築コストや人件費の高騰に支えられて高止まりしています。
いや、むしろ、さらに上昇を続けようとしています。
結果として
「利回りが出なくなり、融資が厳しくなってきている」
という声が、不動産投資家の間で広がっています。
私が実践している区分マンション投資にも、例外なく影響があると感じています。
都心の新築・築浅マンションは価格が高く、利回り2〜3%前後が一般的です。
借入金利が上がれば、実質利回りは、ほとんど残らないか、マイナスになるレベルです。
以前のように
「家賃収入でローン返済しながら資産形成」
というモデルは、成り立ちにくくなっています。
では、大阪の場合はどうでしょうか。
先日閉幕した大阪万博や、インバウンド需要、再開発などが追い風となり、大阪でも物件価格が大幅に上昇しています。
ただ、東京と比較すると、利回りはまだマシかもしれません。
例えば、同じ築年数・立地条件の区分マンションでも、東京では表面利回り2〜3%台に対し、大阪では4〜5%が期待できるケースもあります。
私が物件を購入した10年以上前は、大阪の区分マンションでも中古だと8〜9%は出ていました。
ただ、賃貸需要の安定度・流動性では東京が依然として優位です。
簡単に言えば、大阪は利回り重視型、東京は安定運用型という構図と言えるでしょう。
(但し、大阪でも大阪市内・中心部は人口流入も多く、安定運用が可能です。)
今、不動産投資は始めどきなのか?
不動産投資ですが、問題は、金利上昇によって、手を出しにくくなっていることです。
特にサラリーマン投資家にとっては、金融機関の融資審査が厳格化し、頭金を多めに入れなければ借りにくい状況になっています。
フルローンやオーバーローンで区分マンションを複数買い進める手法は、過去のものとなりつつあります。
こうした中で、最近、注目されているのが、築古・中価格帯の中古マンションをリノベーションして貸し出す戦略です。
実際、私の周囲でも、築25年以上、30平米前後、駅徒歩10分以内の中古物件をリノベーションして再生させるケースが、ちらほらありました。
物件価格1000万円台なら、家賃8〜9万円でも表面利回り6%前後を確保できます。
利回りの見通しが立てやすく、価格も手頃。
大阪では、堀江・中崎町・天満など、若者層の入居需要があるエリアで再評価が進んでいます。
また、法人化による節税やリスク分散も再注目されています。
個人名義での借入が難しい中、法人スキームを使えば、融資枠を拡大することが可能です。
私の場合、プライベートカンパニー(合同会社)を設立し、
・不動産賃貸業だけでなく、本業のコンサルティング業で黒字を出すこと
・不動産賃貸業についても10年以上の実績があること
・ローンのなくなった物件を共同担保として差し出すこと
などを交渉材料として、融資努力をしています。
このように、金利負担が増えている今こそ、キャッシュフローを細かく試算し
「数字で勝てる投資」
を見極める冷静さが欠かせない状況となってきています。
まとめ
結局のところ、金利上昇と物件価格高騰とのダブルパンチは、投資家の選別を進める結果となっています。
これまでのように「なんとなく都会」「簡単に副業」「らくらく不労所得」では通用しなくなってきています。
エリア特性・金融情勢・人口動態を踏まえた「戦略的な物件選び」が、これからの不動産投資家に求められています。
不動産市場は、波があるからこそ、次のチャンスも訪れます。
今は「攻め」よりも「準備」の時期。
無理に購入するのではなく、金利・エリア・賃料動向をウォッチしながら、自分に合った投資モデルを再設計する。
あなた自身の「勝てる投資モデル」を見つけるための第一歩が、まさに現在なのかもしれませんね。















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