虚数(i²=-1)の正体は回転だった!スマホにも使われる数学の秘密

数学には、日常では絶対に出てこないのに、重要すぎて欠かせない存在があります。
その代表選手が、虚数単位iです。
虚数単位iとは
「i²=-1」
を満たす数と定義されています。
ただ、そもそも実生活で
「2乗したらマイナスになる数」
など存在しません。
しかし、この不思議な数のおかげで世界の見え方は一変することになるのです。
今回は、数学検定1級を保有している私が、虚数単位iについて、ほとんど数式を使わずに解説してみたいと思います。
マイナスは「180度ひっくり返すスイッチ」
まず、実数のマイナスを視覚的に考えてみます。
数直線を思い浮かべていただければと思います。
「+1」は右向きの矢印。
「-1」はそれを180度回転させた左向きの矢印と捉えることができます。
つまり「マイナスを掛ける」とは向きを反転させる操作です。
では、虚数iを掛けるとはどういうことなのでしょうか?
虚数iは「90度回転」を表す
虚数iを掛けるという操作を「90度回転」と考えると、一気に分かりやすくなります。
・1×i→右向きが上向きへ(90度回転)
・さらにiを掛ける→上向きが左向きへ(さらに90度回転)
よって、
i×i=-1
とは、
「90度の回転を2回行って180度ひっくり返った」
というだけの話になります。
この視点が、後の重要な発展につながるのです。
複素数平面という新しい地図が誕生
虚数iを導入すると、数は直線から平面へと広がります。
・横軸:実数(現実の数)
・縦軸:虚数(iの方向)
これが複素数平面です。
この複素数平面上では、回転や拡大縮小が、シンプルな掛け算で表せるようになるのです。
フーリエ変換と画像処理が飛躍的に簡単になる
まずは、フーリエ変換について、簡単に説明したいと思います。
フーリエ変換は、画像を「波のレゴパーツ」に分解する技術だと考えると分かりやすいです。
ゆるやかな変化は大きなレゴブロック、細かい模様やノイズは小さなブロック、輪郭はとがった特殊パーツの役割をします。
画像を一度レゴパーツに完全分解すれば、ノイズ除去・ぼかし・シャープ化などがとても簡単になります。
そして、その「波の向きや回転」を表すために欠かせないのが虚数 i。
波には「進む方向」「回り込む向き」「ずれ(位相)」といった要素があり、これらは実数だけでは表せません。
虚数iが存在していることで、波の方向・回転・ずれをすべて数で正確に管理できるため、フーリエ変換が成立するのです。
回転にも虚数iが必須:画像回転の本質は「複素数の掛け算」
画像を回転させる処理も、実は複素数が最強のツールとなっています。
複素数平面では、e^{iθ}を掛けるだけで点を角度θ回転できる
という驚異的な性質があります。
例えば、画像を30度回転したい場合、各点の座標を30度回転させる複素数にかけるだけで解決します。
この e^{iθ} の中身こそが、cosθ+isinθであり、ここでもiが回転の方向を管理する役を担っています。
つまり、画像処理で回転が簡単にできるのは虚数iが90度という方向を持っているからなのです。
虚数iがなければ現在のテクノロジーは成り立たない
今、私たちが当たり前になっている技術は
「回転としてのi」
なしには成り立ちません。
・スマホのカメラ補正
・画像検索
・音声認識
・電波通信
・MRI画像
などなど。
これらはすべて、複素数・フーリエ変換・回転e^{iθ} を内部的に使用しています。
2乗して-1になる謎の数iは
「世界を回転させるスイッチ」
だったのです。
この小さな発明がなければ、現在の画像・音・データ処理は存在しませんでした。
スマホでインスタを触る世の中にはなっていなかったのです。















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