私たちは何を信じればいいのか…フェイク前提社会での現実的な回避策

先日、衆議院選挙が終わりました。
結果は、与党である自民党の圧勝でした。
最近、選挙前の季節になると、SNSや動画サイトにフェイク画像やフェイク動画が一気に増えます。
災害が起きれば、被害状況や救助の様子を映した衝撃的な画像が拡散されます。
ただ、悲しいことに、それらの多くは本物かどうか分からない状況です。
生成AIの普及により、動画も、音声も、文字情報も、簡単に生成できる時代になったためです。
もはや「写真がある」「動画で見た」という理由だけでは、真実の根拠にならない社会になってきているのです。
フェイクが致命的になる場面
平時であれば、多少の誤情報は「笑い話」で済むかもしれません。
ただ、
・選挙
・自然災害
・戦争や外交
・パンデミック
こうした局面では、誤った情報は人の命や社会の意思決定を直接左右することになります。
にもかかわらず、私たちは「見分ける訓練」をほとんど受けないまま、膨大な情報の中に放り込まれています。
判断できない自分になった理由
最近、
・北朝鮮からミサイルが飛んだというニュース
・アメリカがどこかの国を攻撃したという速報
・国会議員の裏金疑惑
・人気芸能人の不倫報道
などを見ていて、私は以前のように「是非」や「善悪」を即座に判断できなくなってきました。
それが正しいのか、捏造なのか。
あるいは、意図的に誇張されたものなのか。
正直なところ、分からないと思う場面が本当に増えてきました。
ただ、これは私の判断力が衰えたからではない気がしています。
思考を奪う情報環境
問題は、情報の真偽そのものよりも、
考える時間が奪われていること
にあるのではないかと思っています。
強い映像、刺激的な言葉、感情を煽る見出し。
それらは「信じさせる」ためというより、考える前に反応させるために設計されています。
その速度についていけない者は「鈍い」「無関心」と切り捨てられます。
ただ、本来、民主主義も、防災も、個人の判断も、即断即決を前提にしたものではなかったはずです。
2−6−2の法則で見える、情報社会の現実
この状況を眺めていると、貧富の差ではなく、情報リテラシーの差が社会を分断しているように見えてきます。
・上位2割:一次情報や一次人格を重視し、自分の思考と照合しながら判断する層
・下位2割:映像や見出しをそのまま信じ、善意で拡散し、フェイクの増幅装置になってしまう層
・真ん中6割:なんとなく怪しいとは思いながら、忙しさや疲労の中で「雰囲気」でやりくりする層
民主主義や防災の成否を分けるのは、実はこの真ん中6割なのだと思っています。
私自身、上位2割に属しているという自覚はありませんが、少なくとも、安易に拡散する側には立たないよう意識しています。
見抜く力より、巻き込まれない作法
完璧にフェイクを見抜くことは、正直ほぼ不可能だと思っています。
だから必要なのは「見抜く力」ではなく、巻き込まれないための距離の取り方だと思っています。
私自身が意識しているのは、次のようなことです。
どれも即効性はありませんが、今のところ最も現実的な「生存戦略」だと思っています。
①映像を証拠として扱わない
文脈と発信者、誰が得をするかを考えてみること。
②即座に拡散しない(24時間置く)
命や政治に関わる情報ほど、反射的に動かないこと。
③情報源を増やさない
信頼できる人格や媒体を意図的に絞ること。
④自分の過去の考えと照合する
急に感情が動いた時ほど、立ち止まってみること。
思考の余白という防御策
以前、私はスマホから距離を取る、いわゆる「スマホデトックス」について記事を書きました。
まだ実践して数週間ですが、得られたのは、正しい情報ではなく、
「今は判断しなくていい」
という余白でした。
スマホはとても便利です。
ただ、同時に、思考の余白を奪う装置でもあります。
常に、じぶんにとって心地よい情報だけが割り込み、感情が更新され、判断を保留する選択肢が消えていきます。
フェイクが前提になった今、この余白こそが、最も現実的な防御策なのかもしれません。
それでも、なぜ書くのか
ブログやコラムの体験談ですら、生成AIで捏造できる時代になってきました。
文章のうまさも、専門家っぽさも、もはや信用の担保にはなりません。
それでも私は、自分の体験と、考えの変化と、迷いを含めて、自分の言葉で書き続けたいと思っています。
一貫した思考の積み重ねだけは、簡単に偽装できないからです。
フェイクが前提になった社会では、
「何を信じるか」
よりも、
「どう疑い、どう距離を取るか」
のほうが重要になってきます。
情報に正しさを求めすぎず、それでも思考を放棄しないために、この違和感を書き残しておきたいと思って記事にしてみました。
また10年後、この記事を振り返ってみたらどう思うか、楽しみにしながら…。
















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