「マイルド貧困」…就職氷河期世代を襲う、静かな貧困とは?

「マイルド貧困」という言葉、聞いたことがありますか?
最近、経済関連の雑誌などでよく見かけるようになった言葉です。
以前、私は「ステルス増税」のことを記事にしました。
この「ステルス増税」とは、一言で言えば、
”我々が気づかずに、知らないうちに、あちこちで実質的に増税されまくっていること”
を指しています。
「知らないうちに、しれっと、社会保険料が数百円、高くなっていた」
よくある話です。
マイルド貧困とは?
「マイルド貧困」に話を戻します。
「目立たない」という点においては、ステルス増税と似ています。
貧困状況であることには変わりありませんが、これが結構厄介なんです。
マイルド貧困とは、一言で言えば、
”生活保護が必要なほど困窮しているわけではないものの、将来への不安を抱え、大きな消費に踏み切れないこと”
を指しています。
よく、住民税非課税世帯に対して、政府から給付金が配られることがあります。
ただ、この住民税非課税世帯の4分の3は、年金で生活している高齢者です。
一般的に、高齢者は、現役世代よりも貯蓄額が多いと言われています。
この住民税非課税世帯は、年収100万円以下…など、切り分けしやすいため、社会的な支援が行き届きやすい状況になっています。
ただ、マイルド貧困層に至っては、年収にしてみれば、200万円か300万円くらいはあるはずです。
このため、ここだけを切り分けすることが難しく、社会的な支援をほとんど受けられていない状況になっています。
マイルド貧困層は、表面的には普通に生活できています。
ただ、資産も貯蓄もなく、余裕はない状況です。
現状、支出をきりつめることで、なんとか生活維持できたとしても、将来への備えがないのです。
このため、病気、失職、事故などの有事が発生すると、一気に生活できなくなるリスクがあります。
現状は年収300万円でなんとか生活できていたとしても、自分や親族が病気になった瞬間に、お金がショートしてしまうのです。
これは、大きなリスクですね。
マイルド貧困層のとるべき道
また、厄介なのが、このマイルド貧困層、結構、真面目な人が多いと言われています。
手元にお金がないため、浪費家やギャンブラーになりきることができず、大きな資産運用もできないのです。
このため、マイルド貧困層は、質素・倹約しながら、地道に働いている人たちが多いと言われています。
まず、この点に気づくことが、マイルド貧困から抜け出す最初の一歩なのかもしれません。
そして、可能であれば、
・支出を整理して、さらなる支出削減を目指す
・収入のごく一部を自動積立にまわす
・補助金や助成金を徹底的に探す
・不動産賃貸業など、働かなくても自動でお金が入ってくる仕組みを構築する
こういった対策を地道に打っていくことこそが、マイルド貧困から脱却するポイントだと思っています。
私も、個人・法人ともに、大きなローンを抱えており、子供の教育費など、キャッシュは枯渇している状況です。
このため、私自身、マイルド貧困層の一員だと認識しています。
さらに、就職氷河期世代の方々は、マイルド貧困層の数が、すさまじいことになっているのではないかと推察しています。
国民全員に現金を給付したり、住民税非課税世帯に、度重なる現金給付をしたりするだけが国会議員の仕事ではありません。
この目立たない生活保護予備軍である「マイルド貧困層」への社会的支援にも、もっとスポットライトが当たって欲しいと切に願っています。
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