障害年金の不支給が増加…一体いつから日本はやさしくない国になってしまったのか?

病気などで生活に支障がでてきた時にもらえる障害年金。
人生のセーフティネットです。
この障害年金の不支給が3万人となり、統計開始以降の過去最多を記録したとのことです。
ようは、障害年金支給のための審査が厳しくなったということです。
財源が不足しているため、簡単には認定しなくなってきたということなのでしょうか。
不正受給は論外ですが、本当に必要な人が支援を受けられなくなることは大問題です。
障害年金には、障害基礎年金(1級・2級)・障害厚生年金(1級・2級・3級)と、いくつかの種類があります。
それぞれの1級と2級については、ざっくりと言えば、ひとりで生活することは困難で、仕事ができないレベルです。
働くことのできない、このレベルの人たちが不支給になるのはありえないことですし、あってはいけないでしょう。
もし、不支給になった場合、社労士に相談し、不服申し立てなど、しかるべき対応をとったほうがいいと思われます。
問題は、生活に支障があり、仕事が制限される(フルタイムでは働けない)レベルの障害厚生年金3級の対応です。
今回問題になっているのは、おそらくこのレベルで、多くは精神疾患が該当しているものと思われます。
最近、うつ病や適応障害などの精神疾患の患者数は増え、この疾患での障害年金申請も増えています。
この精神疾患については、パッと見、病気であることを判断することは難しいです。
診断書がすべてですが、本来、これだけで判断するのも、困難なのではないかと思われます。
心だけが壊れており、身体は普通に動くことのできる状況なのですから。
現在52歳の私も、45歳のときから、この障害厚生年金3級を受給させてもらってます。
フルタイムで働くことはできず、たくさん働けば、うつ病だけでなく、パニック障害や適応障害なども併発する状況です。
ひどくなると、全く働くことができず、私の場合、2年間ほど、働けない状況が続いたこともありました。
ずっと仕事をしないわけにもいきませんので、この2年間は傷病手当金をいただきながら、リハビリに専念しました。
この期間で、無理をせず、仕事復帰を目指しました。
その結果、現在では、通院・薬などで、うまく付き合いながら、仕事をすることができるようになり、法人・個人ともきちんと税金を納めることができています。(フルタイムの会社員生活は絶対に無理ですが。)
この障害厚生年金3級レベルの支給基準が厳しくなっているのでしょう。
このレベルの人たちが不支給になると、生活費を稼ぐために、逆にフルタイムの仕事に従事せざるを得なくなります。
そうすると、精神疾患がさらに悪化し、完全に働けなくなるリスクがでてきます。
こうなったら、どうすればいいのでしょうか?
障害年金2級? 生活保護?
”財源がないから、セーフティネットを厳しくする”
本末転倒です。
何のためのセーフティネットなのかと思います。
一体、いつから日本はこんなにやさしくない国になってきたのでしょう。
この財源不足は、就職氷河期問題に起因することは明らかです。
自己責任論などという意見もありますが、時の日本政府の失政・先読みの浅さにも原因はあるでしょう。
障害年金に関しては、単純に支給条件を厳しくするのではなく、
「AIや仕組みを活用して、支給基準を明確化・可視化する」
「働けなくなった場合の別のセーフティネットを構築する」
など、代替策の検討もきちんと進めてもらいたいものです。
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