もはや時代ガチャ?就職氷河期世代の不公平感と悲痛な叫び!

社会・時事

親ガチャ。

子どもは親を選べないことを意味する言葉です。

育ててくれた親を評価しているようで、私はあまり好きな言葉ではないんですが…

親ガチャとは、ガチャガチャで出てくる品物のように、親の当たり外れは運次第であることを表しています。

同様に考えると、時代ガチャという言葉もあるのかなと思っています。

生まれてくる子どもは、時代を選べずに運次第ということで定義したいと思います。

自分の過ごす時間は、縄文時代なのか、江戸時代なのか、昭和戦時下なのか…。

私自身、就職氷河期世代のど真ん中なので、そう思えてくるのでしょうか。

今回は、就職氷河期世代の不公平感や悲痛な叫びを見ていきたいと思います。

就職氷河期世代とは

就職氷河期世代とは、バブル経済崩壊後の1993年頃から2005年頃に就職活動を行った世代を指しています。

2025年時点で、40代前半から50代前半くらいの人たちが該当します。

この世代は、人数が多いにもかかわらず、就職活動時から、日本経済が長期不況に陥り、企業の採用活動が大幅に縮小されたため「氷河期世代」と呼ばれています。

有効求人倍率(求人数÷求職者数)は1倍を大きく下回っており、新卒向け求人数はべらぼうに少ない状況でした。

このため、多くの若者が正社員としての就職機会を失い、非正規雇用を余儀なくされました。

今でこそ、学校の先生は不足している状況ですが、当時は、教育大学を卒業しても、簡単に先生にはなれなかった時代です。

一度、非正規雇用になると、日本の雇用の仕組みでは、正社員への転換は難しい状況でした。

これは個々人ではどうすることもできず、社会経済とも密接に関連した構造的な問題だと言えるでしょう。

日本の少子化問題は、ずっと問題視され続けているテーマです。

近年の少子化の加速の背景には、就職氷河期世代の経済的苦境が影響していることは自明でしょう。

計算上は、人口の多かった就職氷河期世代が、子どもを産む年齢となる1995年頃から2000年頃にかけて、第3次ベビーブームが起きていても不思議ではありませんでした。

ところが、第3次ベビーブームは起きませんでした。

それはそうでしょう。

安定した職もなく、将来が不安な人だらけだったのですから。

今さら、50歳の人にリスキリングを呼びかけても、年収や待遇が大きくアップするかといえば、そんなケースはほとんどないでしょう。

私が経営者だったとしても、同じ予算で同じスキルなら、20代の若者に初任給30万円を出したほうが、持続可能だと思うので。

・受験戦争は厳しかった
・就職活動は厳しかった
・社会に出たら長期不況
・非正規雇用は不安定で給料も上がらず
・キャリアを積んだと思ったら年功序列崩壊
・スキルを身につけたと思ったら生成AIの登場
・人手不足・若手重視で早期退職制度の推奨
・団塊世代(親世代)の介護による仕事のセーブ
・支払っても戻ってこないであろう不安定な年金制度

就職氷河期世代が、若い頃に失った時間は、もう取り戻すことはできません。

今からいい会社に就職して家庭を作って子どもを産みたくても、現実的にはもう不可能なのです。

私の体験談

1973年生まれの私は、現在52歳です。

就職氷河期世代のど真ん中です。

自分の過去を思い起こしても、損をしている世代だなぁ、とつくづく思います。

大学受験

大学受験はまさに戦争でした。

私の在籍していた高校では、3分の1くらいが現役で大学進学。

残りの人は浪人の道を選択していました。

私も後者の道を選択しました。

受験者数が多かっただけに、大学に現役で合格することは本当に難しかったのです。

それが令和になった現在。

浪人を選択する比率はかなり低くなり、かつ、一般入試ではなく、推薦入試が主流を占めてきました。

子ども達の受験を見ても、私の時代の頃の悲壮感はありません。

もっとスマートな感じで、指定校推薦や公募推薦を勝ち取っていくのです。

私の息子も、推薦で現役合格しました。

子ども達の受験を通じて、時代の流れを痛感したような気がします。

就職活動〜社会人

幸い、私は、研究室からの人脈・パイプを通じて、あまり苦労することなく、就職することができました。

ただ、入社してからは、年功序列のブラックな環境でした。

無尽蔵な残業休日出勤

土曜はクライアント先からの移動日で、日曜は資格試験を受験。

仕事中心の生活で、仕事以外の時間は考えられませんでした。

今で言う、パワハラ上司カスハラ顧客も当たり前でした。

基本給やボーナスも上がらず。

年収のほとんどを残業代が占めていた記憶があります。

隣の芝は青い

私よりも10年ほど年上の方々は、現在60代になっています。

この世代は、私が社会人になったときの上司達の世代です。

この世代は、バブル経済を体験している世代で、好景気というものを知っています。

年功序列制度も生きていたため、ボーナスなどの待遇は私よりも圧倒的によかった記憶があります。

現在は、もう引退している世代のため、ハラスメントを気にすることもなく、AIなどの技術を追いかける必要もありません。

私から見ると、逃げ切りが成功し、羨ましく見える世代です。

逆に、私よりも20年ほど若い世代は、現在、30代くらいです。

現在、私はこの世代と仕事をする機会が多いですが、彼らが残業している姿を見ることはほとんどありません。

残業をすると、ペナルティとなるからです。

私の頃のようなブラックな職場ではなく、ホワイトな職場が主流になってきているのです。

知人の話では、1時間のランチ時にちょっと仕事関連の話をしただけで、1時間分の残業手当を請求されたケースがあったそうです。

それで初任給は30万円…。

今の若い世代は、自分の時間やタイパ(タイムパフォーマンス)を本当に重視する世代だと、我ながら感じています。

就職氷河期世代の私からすると、上の世代も下の世代も、隣の芝は青く見えています

もちろん、すべての人がそうでないことは理解しています。

ただ、あちこちで似たような話を聞くため、私と同世代の方々は、同じ思いを内に秘めているのだろうと推察します。

もし就職氷河期がなかったとしたら?

では、もし、就職氷河期がなかったとしたら、現在はどのような時代になっていたのでしょう。

仮定の話ですので、正解は誰にもわかりません。

もし、就職氷河期世代が若い時に苦労せず、きちんと就職できていたら…

おそらく、労働力人口は増え、長期不況にはならず、日本の成長率は今ほど悪くなかったのではないかと想像できます。

「失われた30年」

という言葉も生み出されなかったでしょう。

就職氷河期世代が、若い頃から安定した収入・経済力があり、将来への不安がなかったとしたら…

結婚している人は今よりも増え、子ども達の数も、もっと増えていたことでしょう。

そうなると少子化問題や人手不足問題は、そもそも発生していなかったと思われます。

賦課方式(世代間で助け合う制度)をとっている年金制度も、持続可能で、問題自体、顕在化していなかったのではないかと思われます。

SNS上、世代間不平等でギスギスする場面も減っていたことでしょう。

先生、運転手、介護士などの人手不足も顕在化することはなかったと思います。

30年前、バブルが崩壊している中、なぜ、日本政府は消費税をどんどん上げて個人消費を冷やし、就職氷河期世代を非正規雇用に追いやったのか。

個々人の問題に転嫁されがちですが、日本政府の責任も大きいと思っています。

就職氷河期世代は、多くの子どもを産んでいません。

このため、現在の20代は、そもそも人口ボリュームが不足しています。

今さら、がんばって子どもを1人2人産んでも、社会全体の生産人口不足は解消されないでしょう。

これは日本社会全体で取り組むべき重要な課題です。

ただ、おそらく、マクロな視点では、もう手遅れなのでしょう。

就職氷河期世代は、個々人の力で、なんとか自分の人生を生き抜いていくしかない

と私は思っています。

最近、国民民主党が提唱しているXX万円の壁問題や、初任給30万円のニュースを皮切りに、就職氷河期世代にも少しずつスポットが当たってきたような気もします。

果たして、どうなることやら…。

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Posted by かずきび47