我々の手取りが増えない根本原因…「ステルス増税」の脅威

あなたは、ステルス増税という言葉を聞いたことがありますか?
今、流行りの103万円の壁が少し動いたからといって、このステルス増税があるため、国民の手取りはまず増えないでしょう。
今回はこの点について簡単に見ていきたいと思います。
ステルス増税とは
ステルス増税とは、一言で言えば、
”我々が気づかずに、知らないうちに、あちこちで実質的に増税されまくっていること”
を指しています。
まず、ステルス増税の恐ろしいところは、政府が目立ってアナウンスすることもなく、しれっと税金をとられている点にあります。税金という名前がついていればまだ良心的ですが、税金という名前でもないのに、我々がお金を徴収され続けているものもあります。
ここ数年(未来・過去を含む)、私が気づいているものだけでも下記10種類ほどあります。他にもたくさんあるでしょう。なお、各項目の細かな仕組みは専門のサイトをご参照ください。
①住民税のアップ
まずは、分かりやすいところから。昨年より住民税が年額1000円あがりましたよね。「みんなで森林を守っていきましょう」ということで、森林環境税としてアップされました。少額なので気づかないですよね…。
②子育て支援金(独身税)の導入
最近よく聞くようになりました。支援金なので、何か我々がもらえる嬉しいお金と思いきや、2026年4月より、月1000円程度、徴収されるものです。税金でもなく社会保険でもないので、分かりにくいです。子育てに特化しており、独身の人にとっては、負担が増えるだけのものとなりますので、独身税と言われているようです。
③インボイス制度の導入
2023年10月から施行された悪名高き制度です。個人事業主にとっては、かなりの痛手となりました。消費税率自体は変わってませんが、税金を払う対象者はかなり増えたことでしょう。
④65歳以上の介護保険料のアップ
65歳以上の介護保険料がちょこちょこ上がってきましたよね。少子高齢化の中、今後もこの流れは続くのではないでしょうか。
⑤贈与税の非課税枠制度の消滅
両親が子どもに結婚・子育てなどのお祝い資金を渡した場合、所定の手続きをすると1000万円まで非課税という制度がありました。ただ、この制度も2025年3月でなくなります。このため、贈与税の非課税枠110万円のみが残ることになります。
⑥復興特別所得税の延長
復興のために使われるということで約2%、所得税に加えて徴収されてました。これが2037年まで延長されることになりました。復興費用は1%に減税されるそうですが、防衛費用が1%増え、結局のところ、徴収される金額は同じで、期間が延長されただけになります。
⑦退職所得の非課税枠の縮小
今まで退職金には、「長い間勤めてくれてありがとう」という意味合いから、十分な非課税枠がありました。その非課税枠が減らされる方向で検討が進んでいるようです。働き方や時代が変わってきたとは言え、実質の増税であることに変わりはありません。
⑧走行距離税の導入
まだ詳細は検討中のようですが、電気自動車の普及に伴い、自動車の走行距離に応じて、税金を払う仕組みが新設されるようです。どうやって測定・計算・納税するのか謎は残されたままです。
⑨たばこ税の増税
ここ数年で段階的に一箱あたり何十円か上がります。喫煙者はどんどん肩身が狭くなりますね…。
⑩社会保険料の適用範囲拡大
少子高齢化が避けられない状況下、この社会保険料の件が一番影響が大きいのではないでしょうか。パート・専業主婦の方々を対象に社会保険適用範囲が拡大される方向で動いているようです。税金の壁の話より、この社会保険料の壁や適用範囲のほうが支払い金額が大きいため、今後の動向が気になるところです。
まとめ
以上、私がパッと思いつくステルス増税を10個ほど挙げてみました。
どれも、あまりニュースなどで大きく報道されてませんよね。
まさに、ステルス(知らないうちに・分からないように)です。
細かい点はさておき、国民の手取りが増えない仕組みが、裏で着々と構築されている点については、なんとなく理解できたのではないでしょうか。
これらのステルス増税は、国が決めたルールですので、我々個人ではどうしようもありません。
我々にできることは、自分の頭できちんと考えて、自分の足できちんと選挙に行くことくらいでしょうか…。
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