統計調査士試験(CBT)の難易度と資格取得体験記

AIやビッグデータなどのデータサイエンティスト系の分野が活況です。
私はデータ分析を専門領域とするフリーランスのコンサルタントです。
データ分析に関連する資格としては、既に、下記を有しています。
①数学検定1級
②ビジネス数学検定1級
③データサイエンス数学ストラテジスト(上級)
これに加えて、今度は
「統計調査士」
なる資格に挑戦してきましたので、レポートを書いてみたいと思います。
資格の概要
統計調査士資格は、統計検定の一種です。
統計調査士試験は、公的統計に関する基本的な知識を正確に認識し、公的統計を適切に利用する能力を評価する検定試験になります。
統計調査士に合格することで、統計の役割、統計法規、公的統計が作成される仕組みに加えて、主要な公的統計データの利活用方法に関する理解を得ることができます。
もっと平たく言えば、統計検定3級程度の基礎知識に、社会人として必要となる公的統計の分野を追加したようなイメージでしょうか。
統計調査士試験は、CBT(Computer-Based Testing)方式により実施しています。
好きな日時・場所を指定して、受験することが可能です。
問題数:
30問(5者択一式)
試験時間:
60分
合格基準:
70%以上
資格の難易度(客観的)
では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。
一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。
法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられます。
しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。
そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。
–––––
【S】超難関資格
※資格を取得するまでに、3〜5年程度の期間を要するもの
弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など
【A】難関資格
※資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの
英検1級、簿記1級、XX1級など
【B】中堅資格
※資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの
英検2級、簿記2級、XX2級など
【C】入門資格
※資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの
英検3級、簿記3級、XX3級など
【D】簡易資格
※資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの
XX4級、その他在宅受験資格など
–––––
この基準に従うと、統計調査士試験の難易度は
【C】入門資格
に属しているのではないかと感じました。
統計検定2級ほどの計算問題は必要ありません。
”統計検定3級+α”
くらいのイメージです。
統計だからといって、理系の人しか受験できないのかと思いきや、暗記部分も多くを占めるため、文系の人でもとっつきやすく、受験は可能だと思います。
私の体験談(主観的)
さて、ここからは、私の受験体験記を紹介させていただきます。
冒頭に書かせていただいた通り、私はデータ分析を扱うコンサルタントですので、統計分野に対しての抵抗は全くありませんでした。
統計検定3級を保持していましたので、箱ひげ図やジニー係数、変動係数なども計算できる状況でした。
ただ、総務省や経済産業省が調査している公的統計の知識があるかといえば、怪しいものでした。
私は2022年4月にこの試験を受けました。
勉強期間は1日1時間で1週間程度でした。
結果は、
100点満点中、80点での合格でした。
合格ラインは70点です。
統計を得意としている割には、それほど高得点ではありませんでした。
というよりも、試験直後は、合格か不合格かも判断できないくらいのギリギリセーフのイメージでした。
とりあえず、合格できてホッとしています。
そこで、勉強方法です。
統計検定は、参考書が充実しているわけではありませんので、次の過去問題集1択でした。
この問題集を使って、過去3年分の問題を解いておけば、合格レベルには達すると思います。
試験時間は60分と短いような印象ですが、時間が不足することはないと思います。
ざっくり言えば、前半が知識問題、後半が計算問題です。
機密保持契約があるため、詳細は書けませんが、実は…
この知識問題が曲者なんです。
計算問題は理解すれば、どんな問題でも対応できるようになっているはずです。
あまり難しい計算は出題されません。(電卓持ち込み可能とのことでしたが、私は、ほとんど使用しませんでした。)
ただ、知識問題に関しては、知らなければ終わりなんですよね…。
例えば、XX調査は、毎年行われているのか、5年に1度行われているのか…など。
私は、これに苦戦しました。
常識の範囲内で対応したつもりですが…
前半の正答率はかなり低かったような気がします。
その代わり、後半の計算問題は、ほぼ満点だったのではないかと思います。
この試験は、完了後すぐに合否が分かります。
最後の採点実行ボタンを押すまでは、全く合否が分かりませんでした。
受験料7000円とともに、不合格のリスクも頭をよぎりました。
さて…
これで、私は、統計調査士となることができました。
私はフリーランスのコンサルタントですので、統計スキルの市場価値が高まってきている点については、強く認識しています。
契約単価もどんどん高くなってきています。
データ分析要員は、あちこちで募集されています。
企業にお勤めの方にとっても、どこかで接することになる可能性の高いスキルです。
さらに、この「統計調査士」には、まだ続きがあり、
「専門統計調査士」
という上位資格もあります。
私自身、自己啓発のため、機会があれば、この上級資格にもチャレンジしてみたいと思っています。
”統計調査士”
時代のニーズに限りなくマッチしている資格ですので、自己啓発として、あなたもぜひ検討してみてはいかがでしょうか?