「逃げ場」を作って心を楽にする方法

2017年に、私が出版した電子書籍
「”逃げ場”を創って楽になろう!」
は、すでに、Amazonで購入することはできなくなっています。
販売実績はそこそこありましたが、情報の鮮度を考え、販売を停止しました。
今回は、この絶版となった著書の内容を使える情報だけに絞り、考え方を更新・要約して紹介してみたいと思います。
サラリーマンの過酷な現状
思い出したくない東京での出来事
毎朝、出勤が辛く感じることはありませんか?
私もかつて、東京出張の新幹線ホームで、心身ともに限界を迎えていました。
疲れ果てた顔に、しわしわのスーツ。目もうつろ。
私の心は完全に曇っていました。
大阪の自宅に戻りたい気持ちは強いのに、仕事の都合で東京のクライアント先へ出向く日々。
出張は年間の8割近くにのぼり、長期にわたる東京出張で、心身の疲労は限界でした。
ある朝、銀座の喫茶店でいつものように読書をしていましたが、文章が頭に入ってきません。
新聞やテレビ欄を見ても理解できず、異常さを感じながらも仕事に向かいました。
打ち合わせでは、これまで提案した内容すら理解できず、進行役を一時的に他人に任せました。
気づくと銀座の心療内科にいて、医師の診断は「明確なうつ病」でした。
この経験から、私は心から次にように思うようになりました。
「手遅れになる前に、”逃げ場”を作って逃げることが大事だ!」
増加する精神疾患
厚生労働省によると、うつ病患者数は1996年の40万人から2014年には111万人に増加。
さらに自殺者の75%が精神疾患を抱え、その46%がうつ病という調査もあります。
中高年の自殺増加の背景には、長時間労働やストレス、パワハラなどが関係しています。
精神疾患は、今やガン・脳卒中・心臓病・糖尿病に次ぐ「5大疾病」のひとつなのです。
無関係と思っている人ほど、突然の発症リスクに注意が必要です。
「逃げ場」の4つのカテゴリー
本記事では、私自身の経験をもとに、うつ病や精神的疲弊から自分を守るための「逃げ場」を紹介します。
「逃げ場」は大きく分けて、次の4つのカテゴリーに分けることができます。
①「病気」の逃げ場
②「仕事」の逃げ場
③「お金」の逃げ場
④「心」の逃げ場
①病気の「逃げ場」
まず休む(有給休暇)
うつ病は休むことが最大の薬。まず、有給休暇を療養に活用しましょう。
就業規則を確認(病気休暇)
有給休暇がなくなった場合は、会社の就業規則に定められた病気休暇を活用できます。診断書の提出が必要です。
産業医に相談
産業医には、職場で働くことができるのかの判断や就業場の配慮の相談ができます。
心療内科へ
精神疾患の治療・復職への指導・診断書発行などを行ってくれます。信頼できる医師を見つけることが重要です。
②仕事の「逃げ場」
休職を活用
治療が長引く場合は会社に籍を置きながら休むことが可能です。休職期間内に復職や転職を検討しましょう。
転職も視野に
環境が原因でうつ病になった場合、環境を変えることが再発予防につながります。
会社に出戻る
休職後、元の会社に復帰できる可能性もあります。円満退職や引き継ぎを大切にしましょう。
起業という選択肢
経験を活かした起業も検討できます。ブランク期間の有効活用や精神的回復にもつながります。
③お金の「逃げ場」
傷病手当金
健康保険から給付される手当金で、最長1年6か月受給可能。休職中の生活費を支える重要な制度です。
次の3つの条件を満たすと、支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の3分の2が支給されます。
■支給要件
・療養のため、働くことができないこと(自宅療養でもOK)
・連続3日間会社を休んでいること
・給料が支払われないこと
所得補償保険
働けない状況でも収入を補償してくれる保険。会社加入か個人加入での検討が可能です。
自立支援医療
精神疾患の診療費・薬代を1割負担に軽減。申請は早めに行いましょう。
プライベートカンパニー(副業・資産運用)
不動産投資やネットビジネス等、複数の収入源を持つことで、精神的安心感を確保することが可能です。
会社員の信用を活かす
ローン・クレジット・賃貸契約など、会社員の身分を使えるうちに準備しておくと安心です。
④心の「逃げ場」
太陽の光を浴びる(セロトニン)
朝日を浴びることで精神安定ホルモン・セロトニンが分泌され、心身の安定につながります。
生活リズムを整える
睡眠・食事・運動を規則正しく行い、体内時計を整えましょう。
趣味を作る
仕事以外に、何かに夢中になれる趣味があると、気分転換ができるのでうつ病にも効果的だと言われています。
まとめ
うつ病や精神疾患は、誰にでも起こり得る社会問題です。
重要なのは、手遅れになる前に「逃げ場」を作ること。
病気、仕事、お金、心の4つの逃げ場を持つことで、精神的にも経済的にも安心して生活できます。
子どもの頃に教わった「何事も途中で投げ出すな」という価値観も大切です。
ただ、人生を長く健康に過ごすためには、必要な時に逃げる勇気も必要です。
「逃げ場」を創って、気楽に、適当に、生きていく。
これが、人生100年時代において、細く長く乗り切っていくための秘訣なのかもしれません。
私はうつ病の経験者です。
何らかのご縁で、この記事を読んでくれているあなた。
まずは自分にとっての“逃げ場”を一つだけでも作ってみませんか。
その小さな一歩が、心の余裕につながると思います。















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