金融業務2級/事業承継・M&Aコースの難易度と資格取得体験記

今回は「金融業務能力検定/事業承継・M&Aエキスパート試験」をご紹介いたします。
この資格は、近年、中堅・中小企業に浸透しているM&Aの進め方やコンサルティングの基本を問う試験になります。
2018年4月から、「金融業務2級/M&Aコース」に名称が変更されていますが、試験の内容は、ほぼ同じものになっています。
資格の概要
CBT(Computer-Based Testing:コンピュータ試験)方式により実施しているため、年中、好きな時に受験できるのが特徴です。
将来性のある資格として、最近、注目されつつある資格のひとつになります。
試験の範囲は下記の6項目です。
1. 中小企業の実態・事業承継関連税制
2. 事業承継関連法制
3. 事業承継に潜む問題点・事業承継コンサルティングと事業承継ビジネス
4. 中小企業M&Aの基礎知識・金融機関におけるM&Aの活用
5. 中小企業M&Aの会計・税務・法務
6. 中小企業M&Aの手順
試験そのものは、正誤式が10問、四択式が30問の合計40問で実施されます。
試験時間は100分、合格点は100点満点の60点です。
合格者には、「事業承継・M&Aエキスパート」の認定証が発行されます。
資格の難易度(客観的)
では、この資格の難易度を見ていきたいと思います。
一般的に、資格というものは、その人の経験や背景によって、難易度が異なってきます。
法律関連の仕事をしている人は法律系の資格はとっつきやすいですし、IT関連の仕事をしている人はIT系の資格は容易に感じられることでしょう。
しかし、その人にとって、新規分野の資格だと、入門資格でも、かなりの難易度に感じられることでしょう。
そこで、私は、資格取得の難易度を、次の5段階に分けて評価することにしました。
【S】超難関資格
資格を取得するまでに、3〜5年程度の期間を要するもの
弁護士、公認会計士、その他サムライ資格など
【A】難関資格
資格を取得するまでに、1年程度の期間を要するもの
英検1級、簿記1級、XX1級など
【B】中堅資格
資格を取得するまでに、6ヶ月程度の期間を要するもの
英検2級、簿記2級、XX2級など
【C】入門資格
資格を取得するまでに、3ヶ月程度の期間を要するもの
英検3級、簿記3級、XX3級など
【D】簡易資格
資格を取得するまでに、数週間程度の期間を要するもの
XX4級、その他在宅受験資格など
この基準に従うと、金融業務2級/M&Aコースの難易度は【B】中堅資格に属しているのではないかと感じました。
実際、金融財政事情研究会も、この資格を「金融業務2級」という位置づけにしています。
財務関連の仕事をしている人にとっては、平易かもしれません。
しかし、財務を全く知らない人だと、用語の理解も含めて、半年程度は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
私の体験談(主観的)
私はこの試験を2017年9月に受験しました。
結果は、100点満点中、70点での合格でした。
試験の準備は、きんざいの出版している、下記の問題集を使用しました。
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勉強に使ったのは、この1冊のみで、その他の書籍は一切使用していません。
準備期間は、1日に2〜3時間で1週間程度でした。私の場合、本資格取得前に類似の資格をいくつか取得していたため、準備期間は短めで済んだのかもしれません。
試験に出題される問題も、上記の問題集をきちんと理解していれば対応できるものばかりでした。
試験時間も100分間、与えられていますが、半分ほどの時間で対応できた気がします。(それほど高得点ではありませんでしたが。)
勉強のコツをひとつだけ。
問題集の4択問題のうち、答をそのまま覚えるのではなく、正解の選択肢も不正解の選択肢も、解説を丁寧に読み込んだことが、合格へのカギではないかと思いました。
また、試験はコンピューターによる試験になります。このため、完了後すぐに画面に合否が表示されます。
試験が終わった時のモヤモヤ感が残らないのはいい点ですが、最後の採点ボタンを押すときには結構緊張します。
私は、採点ボタンを押すとき、試験の料金である7560円が頭にちらつきました。
とりあえず、試験には合格することができました。
そして、当分野について、知識を体系的に学ぶことができました。
あとは、本業・副業問わず、この資格を活かしていけるように努力していきたいと思います。
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