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泉北北線・泉北南線、そして幻の泉北5号線…知っているのに説明できない道

大阪南部

泉北ニュータウンには、「泉北1号線」「泉北2号線」「泉北3号線」と呼ばれる道路があります。

以前、このブログでも取り上げました。

泉北ニュータウンで暮らしたことのある人なら、正式な道路名称よりも、

「急いでいるので1号線を通って」
「3号線のところを曲がって」

などと言われたほうが、なんとなく場所が分かる人もいるのではないでしょうか。

ところが、泉北にはもう少し不思議な名前の道路があります。

泉北北線。泉北南線。泉北5号線。

知っていますか?

私は知っています…

と言いたいところなのですが、実は知っているようで、よく分かっていません。

そこが今回のお話です。

自転車と原付で走り回った泉北ニュータウン

今でこそ、自動車で移動することが多くなりました。

しかし、泉北ニュータウンに住んでいた学生時代、私の主な移動手段は自転車と原付でした。

泉北ニュータウンは広いし、坂も多い…。

それでも若かったからでしょう。

自転車や原付で、泉北のあちこちを走り回っていました。

泉ケ丘から栂・美木多、光明池方面へ行ったり、逆方向へ走ったり。

特に記憶に残っているのが、泉北ニュータウンの外周をぐるっと回るような道路です。

何度も走りました。一周したことも、おそらく何度もあります。

そして私の記憶の中では、その道路には名前がありました。

「泉北北線」と「泉北南線」です。

ところが今になって地図を眺めてみると、不思議なことが起こります。

「あれ?」

どこからどこまでが北線だったのだろう。

「泉北北線」はどこからどこまでなのか

泉北北線。

名前からすれば簡単です。

泉北ニュータウンの北側を走る道路だから、北線。

実際、そういう理解で大きく間違ってはいないのでしょう。

私自身も北線という名前を昔から知っていますし、何度もそこを走った記憶があります。

ところが、

「では泉北北線の始点と終点を言ってください」

と言われると、急に答えられなくなります。

そもそも泉北ニュータウンは、きれいな円形ではありません。

泉ケ丘、栂・美木多、光明池という3つのエリアが連なり、その周囲を幹線道路が走っています。

北側をずっと走っていけば、確かに「北線を走っている」という感覚はあります。

しかし、そのまま進んでいくと、いつの間にか北ではなくなります。

では、どこで北線は終わるのでしょう。

交差点でしょうか。

町名の境界でしょうか。

それとも、そもそもそんな明確な境界を意識するような道路ではなかったのでしょうか。

何度も走った道路なのに、説明できません。

では「泉北南線」はどこから始まる?

さらにややこしいのが泉北南線です。

こちらも名前は分かりやすい。

泉北ニュータウンの南側を走る道路です。

北線と南線をつなげて考えると、泉北ニュータウンの外側をぐるっと囲むような道路になります。

だから私は学生時代、自転車や原付でこのあたりをぐるぐる走っていたのでしょう。

ただし、ここでも同じ疑問が出てきます。

北線は、どこで南線になるのでしょうか。

反対側も同じです。

南線をずっと走っていけば、どこかで北線になるはずです。

でも、

「この交差点を越えた瞬間から泉北南線です」

という記憶は、私にはありません。

北線も知っている。南線も知っている。道路そのものも知っている。実際に何度も走っている。

なのに境界だけが分からない。なんとも不思議な道路です。

「道」は覚えているのに「名前の境界」は覚えていない

考えてみれば、これは当たり前なのかもしれません。

学生時代の私は道路研究をしていたわけではありません。

自転車や原付で「あそこへ行こう」と思って走っていただけです。

標識を一つひとつ確認して「ただいま泉北北線を走行中」などと考えていたわけではありません。

だから風景は覚えています。坂道も覚えています。交差点も覚えています。

ニュータウン独特の広い道路も覚えています。

でも、道路名の境界は覚えていない。

人間の記憶に残る地図と、行政や道路の地図は、少し違うのかもしれません。

そして「泉北5号線」という道路もある

そしてもう一つ。

泉北ニュータウンの道路を調べていると、さらに影の薄い道路が出てきます。

泉北5号線です。

泉北1号線。泉北2号線。泉北3号線。

ここまでは比較的有名です。

4号線もあります。

だったら5号線があっても何も不思議ではありません。

ところが、

「泉北5号線って、どこ?」

と聞かれると、地元の人でも首をかしげるのではないでしょうか。

私自身、1号線や3号線と同じ感覚で、

「今日は5号線を通って行こう」

などと言っていた記憶はほとんどありません。

存在しているのに、通称としては妙に影が薄い。

ある意味、「幻の泉北5号線」です。

幻の5号線は三原台から陶器山方面へ

泉北5号線とされるのは、三原台方面から陶器山方面へ伸びていく道路です。

道路そのものを見れば、

「ああ、あそこか」

となる泉北住民もいるでしょう。

つまり面白いのは、

道路を知らないのではなく、それを「泉北5号線」と呼ぶことを知らない。

ということです。

1号線や3号線とは、ずいぶん扱いが違います。

なぜ5号線という呼び方は定着しなかったのでしょう。

もともとの計画上の位置づけが違ったのでしょうか。

道路の使われ方でしょうか。

あるいは単に、住民がその名前を使う必要がなかったのでしょうか。

道路はそこにある。名前もある。

でも、名前だけが記憶から薄れている。

これもまた、泉北ニュータウンの小さな謎です。

1号線や3号線とは少し違う「記憶の道路」

以前の記事では、泉北1号線、2号線、3号線など、比較的よく知られた道路を中心に取り上げました。

今回は、そのとき脇役だった道路を主役にしてみました。

泉北北線。泉北南線。泉北5号線。

どれも実際に存在する道路なのに、1号線や3号線ほど輪郭がはっきりしません。

特に北線と南線については、私自身が何度も走ったはずなのに、

「正確にはどこからどこまで?」

と聞かれると自信がありません。

でも、それでいいような気もします。

地図より先に、身体が道を覚えていた

学生だった頃、スマートフォンもGoogleマップもありませんでした。

自転車や原付で走りながら、道を覚えました。

この道を行けば泉ケ丘に出る。ここを曲がれば栂方面。こっちへ走れば光明池。

そうやって身体の中に泉北ニュータウンの地図ができていきました。

だから数十年経った今でも、道路の風景はなんとなく思い出せます。

一方で、「北線はここまで」「ここから南線」といった情報はきれいに抜け落ちています。

道は覚えているのに、名前が分からない。

あるいは、

名前は覚えているのに、どの道だったのか説明できない。

泉北北線、泉北南線、そして泉北5号線は、そんな記憶の中にある道路なのかもしれません。

今度、時間があるときに自動車で一周してみようかと思います。

昔、自転車や原付で何度も走った道を。

そして北線から南線へ変わる瞬間を探してみる。

もっとも、一周して帰ってきても、

「結局、どこから南線やったんやろ?」

となっているような気もします。

それもまた、泉北ニュータウンらしい小さな謎なのかもしれません。

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Posted by かずきび