コンサルは悪なのか? 〜ラベルで人や仕事を判断したくなる理由〜

はじめに
最近、ネットの記事やコメント欄を見ていて、少し考えさせられることがありました。
ある人物が「コンサルタント」と名乗っただけで、強い批判を受けていたのです。
もちろん、その人に問題があったのかもしれません。
しかし気になったのは、その人が何をしたのかではなく「コンサル」という肩書だけで評価が終わっているように見えたことでした。
そして、その批判に多くの人が共感していました。
同様に「経営コンサル会社の倒産が増えている」という記事に対しても「当然」とか「コンサル不要」とか、ほとんどがネガティブなコメントばかりでした。
私は長年コンサルティング業界で仕事をしてきました。
だから擁護したいという話ではありません。
むしろ、コンサルにも様々な人がいて、優秀な人もいればそうでない人もいることをよく知っています。
ただ、その光景を見ていて改めて感じたことがあります。
人は思っている以上に、ラベルで世界を理解したがるのではないかということです。
ラベルは便利
人間は複雑なものを理解するのが苦手です。
そのため、
・公務員
・会社員
・フリーランス
・医者
・弁護士
・不動産投資家
・コンサルタント
といったラベルを使います。
もちろん、これは悪いことではありません。
分類しなければ世の中を理解できないからです。
問題は、そのラベルがいつの間にか個人の評価そのものになってしまうことです。
「公務員だからこうだ」
「大家だからこうだ」
「コンサルだからこうだ」
そうした言葉は分かりやすい反面、多くの情報を捨ててしまいます。
現実は思った以上に複雑
私はSCMや業務改革のプロジェクトに長く関わってきました。
しかし、プロジェクトの成功や失敗を一言で説明できたことはほとんどありません。
経営層の判断。現場の運用。システムの制約。データ品質。組織文化。人事制度。予算…。
様々な要素が絡み合っています。
それでも人は、
「コンサルが悪かった」
「システムが悪かった」
「現場が悪かった」
という単純な説明を求めます。
その方が理解しやすいからです。
しかし、実際にはそんなに単純な話ではありません。
持ち家か賃貸か、会社員かフリーランスか
このブログでも何度も書いてきましたが、
持ち家か賃貸か。
会社員かフリーランスか。
拡大か維持か。
AIは味方か敵か。
こうしたテーマも同様です。
ネットでは白黒はっきりした結論が好まれます。
しかし現実は、前提条件や時間軸によって答えが変わります。
私はどちらか一方を否定したいわけではありません。
むしろ「場合による」という身も蓋もない結論になることが少なくありません。
私が残しておきたいこと
最近、ネットを見ていると、ますます単純化が進んでいるように感じます。
しかし現実の世界は、相変わらず複雑です。
仕事も人生も、単純な二択で説明できることは意外と多くありません。
だから私は、できるだけ複雑なものを複雑なまま見ようと思っています。
正解を出すためではありません。
現実を少しでも正確に理解するためです。
そして、もしかすると、それが私なりの「余白」や「人生の冗長設計」の考え方にもつながっているのかもしれません。






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