「物理なんて大人になったら使わない」は本当?スマホ・AI・USJ・DX社会の土台にある見えない物理

はじめに
「物理なんて、大人になったら使わない。」
学生時代、一度は聞いたことがある言葉です。
確かに、社会人になってから、
・運動方程式
・オームの法則
・摩擦係数
・モーメント計算
を直接解く機会は、それほど多くないかもしれません。
実際、私の子どもの理科の教師も、
「物理は大人になって使うことはほとんどない」
と話していたそうです。
ただ、物理学科出身の私から見れば、昔から、その言葉に強い違和感がありました。
なぜなら、私たちの生活そのものが、むしろ「物理」でできているからです。
スマホもAIも、物理なしでは成立しない
私たちは毎日、スマホを使っています。AIも使うようになりました。
Wi-Fi、GPS、半導体、電車、電子レンジ、エアコン…。
それらを、あまりにも当たり前に使っています。
しかし、その土台にあるのは「物理」です。
例えば半導体。
単純に「電気を流す」「流さない」だけなら、それほど複雑ではありません。
しかし現代社会を変えたのは、
完全に流す/流さないだけではなく「制御しながら流す」
という極めて不思議な性質でした。
この「中間状態」を利用することで、
・ON/OFF制御
・計算処理
・情報記録
・通信
などが可能になり、現在のスマホ社会が成立しています。
そして、その根底には量子力学があります。
「小さな粒を研究して何になるのか?」
量子力学の話になると、
「そんな小さな粒を研究して何になるの?」
と思う人も多いと思います。
実際、電子や原子の世界は、目で直接見ることができません。
だからこそ量子力学では、
「ここに存在する確率」
として世界を記述します。
そこからシュレディンガー方程式につながり、
「0でも1でもないような量子的状態」
さらには量子コンピュータの研究にもつながっていきます。
現在のAIブームも、巨大な計算能力なしでは成立しません。
つまり、最先端AIの背後にも、長年積み重ねられてきた物理学が存在しているのです。
以前、私は「シュレディンガーの猫」について記事を書いたことがあります。
あの一見不思議な話も、実は現代技術の根底につながっているのです。
USJのジェットコースターも「物理」でできている
物理は、研究室の中だけにあるものではありません。
例えばUSJ。
私は、
・ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド(ハリドリ)
・フライング・ダイナソー(フラダイ)
などを見るたびに「これは物理の塊だな…」と感じます。
多くの人は「怖い」「楽しい」で終わると思います。
しかし実際には、
・遠心力
・加速度
・重力
・モーメント
・振動
・材料強度
・構造力学
など、膨大な物理計算の上で設計されています。
地震対策の免震構造も同じです。
日本の高層ビルが巨大地震でも簡単に倒れないのは、偶然ではありません。
そこには、
・剛性
・力の逃がし方
・振動制御
など、長年積み重ねられてきた物理学があります。
私は以前から「週3日ワーク」という働き方について書いていますが、全く異なるように見えて、実はこれも力の逃がし方など、少し似ていると感じています。
人間も、常に全力で力を受け続ければ、どこかで歪みが生じます。
建築物が力を分散し、逃がし、吸収することで崩壊を防ぐように、人間側にも「力を逃がす構造」が必要なのではないか…。
最近は、そんなこともよく考えます。
スマホカメラも「光学」でできている
最近は、スマホのカメラ性能がどんどん上がっています。
カメラが3つほどついているスマホもよく見るようになりましたよね。
しかし、その背後にも物理があります。
レンズ・光・反射・屈折・波長…。
私たちは普段、
「写真がきれい」
くらいにしか思わないかもしれません。
ただ実際には、
・レンズ設計
・光の屈折
・光学補正
・センサー技術
など、非常に高度な光学技術が詰まっています。
紫外線も同じです。
日焼け止め・UVカット・ブルーライト…。
こういった日常生活の中にも、波長や電磁波という「物理」が存在しています。
「てこの原理」は、不動産レバレッジにも似ている
私は仕事柄、不動産や法人経営にも関わっています。
その中で感じるのが、
「社会の構造も、突き詰めると物理に近い」
と感じています。
例えば「てこの原理」。
支点があり、力点があり、作用点がある。
小さな力でも、構造をうまく使えば大きなものを動かせます。
これは、不動産レバレッジにも少し似ています。
自己資金だけでは届かない規模でも、
・融資
・金利
・キャッシュフロー
・時間
などを組み合わせることで、大きな資産運用が可能になります。
もちろん、バランスを崩せば危険なのも同じです。
DX推進にも「摩擦係数」が存在する
コンサルの現場でも、私はよく物理的に考えます。
例えばDX推進。
最近は、マイナンバー・DX・AI導入…
などが急速に進められています。
ただ、人間社会には必ず「摩擦」があります。
学校物理では「摩擦力=摩擦係数×垂直抗力」を学びます。
物体が重ければ重いほど、摩擦も大きくなります。
これは組織も似ています。
人が多ければ多いほど、抵抗、慣習、文化、既得権、現場負荷…
などが増え、そう簡単には動きません。
だからこそ、滑車、支点、レバーのような「構造的工夫」が必要になります。
私は、コンサルの本質も、実はここにあると思っています。
数学や英語も、本来は「世界を理解するための手段」
世の中では、
「数学は大切」
「英語は大切」
という話は比較的理解されやすいと思います。
確かに、数学ができれば計算ができます。
英語ができれば海外論文も読めます。
ただ、私の感覚では、それらは本来「手段」です。
数学も、英語も、
「世界を理解するためのツール」
なのです。
そして、その「世界そのもの」を探究している学問のひとつが、物理学なのだと思っています。
「物理=難しい」で終わるのは、少しもったいない
もちろん、物理は簡単ではありません。
数式も出てきます。計算もあります。
ただ、本来の物理は、
「世界を理解する面白さ」
に満ちた学問だったはずです。
スマホ・AI・半導体・USJのジェットコースター・高層ビル・地震対策・DX…。
私たちは、毎日「物理の世界」で生きています。
にもかかわらず、
「オームの法則が難しかった」
「運動方程式が嫌いだった」
というイメージだけで「物理なんて役に立たない」となってしまうのは、少しもったいないなぁ…。
「物理を使っている」のではなく、私たちは、最初から「物理の世界」の中で生きている。
最近、そんなことをよく考えています。






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