大阪というドラクエ(第5話):エンディングのないゲーム…それでも私たちは進み続ける

はじめに
ここまで、大阪という街を、ドラクエの世界として見てきました。
泉北ニュータウンという「最初の村」から始まり、経験値を積み、ゴールドに苦労しながら北へ進む。
御堂筋線というメインルートをたどり、梅田という巨大ダンジョンを目指す。
そしてそこで消耗し、一度立ち止まり、離脱し、裏世界での進み方を見つけていく。
ここまでで、ひとつの流れは見えてきました。
ただ…
最後に残る問いがあります。
一体、ゴールはどこにあるのか
このゲームには、明確な「ゴール」があるのでしょうか。
表の世界では、
・上に行くこと
・評価されること
・梅田にたどり着くこと
が、一つの到達点のように見えていました。
しかし裏世界に入ると、
その前提が揺らぎ始めます
どこまで進めば終わりなのか。
何を達成すれば「クリア」なのか。
それが、はっきりしなくなっていきます。
ゴールドが余るという構造
ドラクエの終盤では、
ゴールドが増えすぎる
という状態がよく起きます。
序盤では慢性的に足りなかったはずのお金が、気がつけば使い道に困るほど残っている。
強い装備はすでに揃い、回復手段も確保されている。
その結果、
ゴールドは「目的」ではなくなっていく
のです。
現実の世界でも起きていること
現実の世界でも、似たような構造があります。
若い頃はお金が足りず、働いて、貯めて、備える。
しかし時間が経つにつれて、
お金は徐々に残る側に回っていく
そして気がつけば、
最もお金を持っている状態が「人生の終盤」になる
という構造です。
それ自体が悪いわけではありません。
ただ、ひとつ考えておきたいことがあります。
いつ使うのか
それは、
「そのゴールドは、いつ使われるのか」
という問いです。
ドラクエの中でも、もっと早い段階で使っていれば、進み方が変わっていたかもしれない場面があります。
現実の世界でも同じで、
「いつ使うか」
という視点は、意外と後回しにされがちです。
「いつ使うか」というテーマについては、以前の記事でも少し触れています。
ベホマという考え方
ドラクエには、もうひとつ上の回復呪文があります。
有名な「ベホマ」です。
これは、HPを完全に回復させる呪文です。
現実の世界で考えると、
FIREや完全リタイア
のような状態に近いのかもしれません。
つまり、
戦わなくてもよい状態
です。
それが最適なのか
ただ…
それがすべての人にとって、最適な選択なのかどうかは、少し考える余地があります。
完全に戦わない状態が、
必ずしも最も自然な進み方とは限らない
からです。
すでに起きている変化
第4話で見たように、
・武器(稼ぐ力)
・防具(安定資産)
・ベホイミ(週3日ワーク)
が揃っている状態は、
すでにゴールドを時間に変換している状態
とも言えます。
つまり、
完全回復(ベホマ)ではなくても、
十分に回復しながら進むことはできる
のです。
パーティとしての選択
そしてこのゲームは、
自分ひとりのものではありません
気がつけば、パーティができています。
家族がいます。
そうなると、
・どこで戦うか
・どれくらい働くか
・どのタイミングで休むか
これらすべてが、
パーティ全体に影響する選択
になります。
勝つことではなく…
表の世界では、
・勝つこと
・上に行くこと
・評価されること
が重要でした。
しかし裏世界では、
どう生きるか
という問いの方が前に出てきます。
どれだけ持つかではなく、
いつ使うか
どれだけ戦うかではなく、
どのように進むか
エンディングのないゲーム
ここまで考えると、ひとつの結論に近いものが見えてきます。
それは、
「このゲームには明確なエンディングがない」
ということです。
ラスボスを倒して終わるわけでもなく、クリア画面が出るわけでもない。
ただ、進み続けることはできる。選び続けることもできる。
それでも進む理由
ではなぜ、私たちは進み続けるのでしょうか。
それはおそらく、
進むこと自体に意味があるから
ではないかと思います。
どこにたどり着くかよりも、どのように進んできたかの方が、後から効いてくるのかもしれません。
どのルートを通り、どんな装備を選び、どのタイミングで回復するのか。
その積み重ねが、
その人のゲームを形作っていく
のだと思います。
おわりに
以上、全5話にわたって、大阪という街を、ドラクエの世界として見てきました。
この見方が、すべてを説明できるわけではありません。
ただ、
少し違う角度から、自分の位置を確認する手掛かり
にはなるかもしれません。
今、自分がどこにいるのか。
どのルートを進んでいるのか。
そして、
これからどこへ向かうのか
それを考えるきっかけとして、この世界観が少しでも役に立てばと思います。






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