大阪というドラクエ(第2話):梅田ダンジョンの正体…なぜここで人は迷うのか

はじめに
前回(第1話)は、大阪という街を、ドラクエのマップとして整理しました。
泉北ニュータウンという「最初の村」から始まり、経験値を積み、ゴールドに苦労しながら北へ進む。
御堂筋線というメインルートに乗り、多くの人が同じ方向を目指していく。
その先にあるのが、梅田です。
この街は、多くの人にとって一つの到達点のように見えます。
ただ…。
今回は、その梅田という場所を、もう少し違う視点で見てみたいと思います。
なぜ人は梅田を目指すのか
梅田には、すべてが揃っています。
大きなオフィスビル、商業施設、交通の結節点。
人が集まり、情報が集まり、仕事があり、評価がある。
いわば、
この世界の中心とも言える場所
です。
ドラクエで言えば、
物語の終盤にたどり着く、大きな拠点
のような場所です。
だからこそ、多くの人が思います。
「ここに来れば、何かが変わるのではないか」
と。
そして実際に、何かは変わります。
関わる人のレベルは上がり、求められるスキルも上がり、扱う仕事の規模も大きくなります。
プレイヤーとしては、確実に
「先に進んでいる感覚」
があります。
迷うという体験
ただ、この場所にはひとつの特徴があります。
それは、
非常に分かりにくい
ということです。
駅の構造は複雑で、出口も多く、乗り換えも入り組んでいます。
初めて来たときはもちろん、何度来ても迷うことがあります。
同じ場所を歩いているつもりなのに、気がつけば違う場所に出ているような感じです。
特に、最近の梅田では再開発も大きく進んでおり、何度も足を運んでいる大阪人でも迷子になることもあります。
ダンジョンとしての梅田
梅田は、やはり
ドラクエのダンジョン
に近い場所です。
道が複雑で、どこに進めばいいのか分からない。
一見すると正しいルートがありそうで、実はそれが見えにくい。
そしてもうひとつ。
ダンジョンには、必ず
「消耗」
がつきまといます。
歩き続けることでHPが減り、戦い続けることでMPも減っていく…。
外から見ていると華やかに見える場所でも、中にいるプレイヤーにとっては、
少しずつ削られていく場所
でもあるのです。
構造の中で迷うということ
梅田という場所は、単に構造が複雑なだけではありません。
その中で人と関わり、評価され、役割を持つことで、さらに複雑さが増していきます。
気がつけば、街の中で迷っているのか、それとも人間関係の中で迷っているのか、分からなくなるような感覚があります。
回復が追いつかない
第1話で触れた通り、序盤から中盤にかけての回復手段は、ホイミややくそうのような、「一時的な回復」にとどまります。
ゲームセンターやカラオケ、あるいは喫茶店や銭湯。
どれも大切な回復手段ではありますが、
消耗のスピードに対して、回復が追いつかない
という状態が起き始めます。
それでも、多くの人は進み続けます。
途中で立ち止まるという選択肢は、ほとんど意識されることがありません。
なぜなら、
ここがゴールだと思っているから
です。
「ここがラスボスだ」という思い込み
梅田という場所には、
ある種の「空気」があります。
ここで働いていること。ここに通っていること。ここに居続けていること。
それ自体が、一つの価値として認識される空気。
だからこそ、
「ここを離れる=後退」
のように感じてしまう。
本当はそうとは限らないのに、そう思い込んでしまう。
ドラクエで言えば、
「ここにラスボスがいるはずだ」
と思い込んでいる状態です。
いつの間にかパーティができている
そしてこの頃になると、
自分ひとりのゲームではなくなっている
ことにも気づき始めます。
仕事だけでなく、生活の中でも、関わる人が増えていく。
気がつけば、自分の選択が自分だけに影響するものではなくなっている。
ただ、この段階ではまだ、
パーティとして進むか
までは考えられていません。
あくまで「個人として前に進むこと」が中心です。
違和感の正体
ここで、もう一度立ち止まると、ひとつの疑問が浮かびます。
本当に、このダンジョンの先に「クリア」があるのか。
どれだけ進んでも、どれだけ戦っても、
終わりが見えない
という感覚。
そして、
回復が追いつかないまま、消耗だけが続く
という状態。
これは、ゲームとして考えると、少し不自然です。
なぜなら、通常のドラクエであれば、
・回復手段が強化される
・装備が整う
・戦い方が変わる
といった形で、次のステージに進むための「変化」が用意されているからです。
もし、ここが最終地点ではないとしたら
ここでひとつ、仮説を置いてみます。
「このダンジョンが、最終地点ではないとしたら」
どうなるでしょうか。
つまり、
・ここで無理に戦い続ける必要はない
・別のルートが存在している
・そもそも攻略方法が違っている
という可能性です。
ただ、この段階ではその答えはまだ見えません。
なぜなら、
この世界には「もうひとつの構造」があることを知らないから
です。
次回予告
梅田というダンジョンは、確かに大きく、複雑で、多くの人が集まる場所です。
ただ…
そこは、
ラスボスのいる場所ではない可能性がある
そして、
この世界には「別の進行ルート」が存在している可能性がある
次回(第3話)は、その前提が崩れる瞬間。
つまり、
このダンジョンから一度離脱する出来事
について、触れてみたいと思います。
それは必ずしも、自分の意思によるものとは限りません。
むしろ…
強制的に進行が止まるような出来事
であることが多いのかもしれません。






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