人生の冗長設計を軸に、週3日だけ働く生き方・アダプテーションFIRE・フリーランスの独立・法人経営・不動産賃貸業・メンタルヘルス・大阪ローカルの不思議など、実体験から発信するブログです。

【インタビュー②】週3日で働くまでに失ったもの…信用・肩書き・会社という鎧

生き方・働き方

※本記事は、「週3日で働く=自由」「フリーランス=気楽」といった話ではありません。病気による離脱、信用の喪失、肩書きや会社の看板を失った先で、どのように働き方を組み直してきたのかを、インタビュー形式で整理したものです。

はじめに(インタビューの経緯)

第一弾の記事を公開して以降、

「なぜ会社員を辞めたのですか?」
「最初からフリーランスになるつもりだったのでしょうか?」

といった質問を、いくつか受けました。

ただ、最初にお伝えしておきたいのは、私は会社員を辞めたかったわけではありません。

信用を失う覚悟をして、肩書きを手放し、会社という看板を捨てたわけでもありません。

結果としてそうなった、というのが実情です。

本記事では、「失ったもの」という視点から、会社員を離れることになった経緯と、その後に直面した現実、そして、そこからどのように働き方を再設計してきたのかを、インタビュー形式で整理してみたいと思います。

①そもそも、なぜ会社員を辞めることになったのですか?

<最初から信用を失う覚悟で、会社員を辞めたのでしょうか?>

いいえ、まったくそんなつもりはありませんでした。

長引く疲労やストレスによって、うつ病を発症し、有給休暇、病気休暇、そして休職扱いとなり、結果として、

「期間満了で会社を辞めざるを得なくなった」

というのが実情です。

当時は、うつ病の影響もあり、

・先のことを深く考える余裕もなく
・働き方を選び直す余地もなく

ここまでは、ほぼ一本道でした。

その後、治療を続け、少しずつ回復してきた段階で、私は復職を希望しました。

ただ、現実は厳しいものでした。

うつ病を経験した人間を、会社があらためて採用することは、ほとんどありません。

特に、私のいた業界は狭く、仮に病歴を隠して入社したとしても、いずれ必ず分かってしまいます。

「元のレールに戻る」という選択肢は、思っていた以上に細く、脆いものでした。

②会社員を辞めて、具体的に何を失いましたか?

<一番大きく失ったものは何だったのでしょうか?>

まず思い浮かぶのは、肩書きです。

部長、課長、主任…

コンサル業界で言えば、シニアマネージャー、マネージャー、シニアコンサルタント…。

こうしたタイトルや、大手コンサル会社という「看板」を失いました。

正直な感覚としては、鎧を剥がされたような感じでした。

社会的な信用という意味では、

・クレジットカードの審査
・住宅ローンや各種ローン

こうした場面で、目に見えて信用が下がったと感じることもありました。

そのため、私の場合は、会社員時代に住宅を先に購入しておきました。

また、会社という組織を離れたことで、

・最新技術に触れる機会
・若手との日常的な接点
・新しい出会い

が減ったと感じる場面もあります。

③それらを失うことへの不安はありませんでしたか?

<信用や看板を失うことに、不安はなかったのでしょうか?>

意外かもしれませんが、技術や人脈についての不安は、それほど大きくありませんでした。

もともと一定の経験と人脈があり、会社の看板がなくなっても、

・案件を斡旋してくれるエージェント
・これまでの人脈

で、ある程度はカバーできると考えていました。

一方で、不安が大きかったのは、ローンや与信です。

「いくら稼いでいても、個人としての社会的信用はゼロなのか」

ローンすら組めないのか、という現実に、正直、少し落ち込みました。

ただ、この違和感が、後に「法人で信用を積み上げる」という発想につながっていきます。

④なぜ法人化という選択をしたのですか?

<個人ではなく、法人化を選んだ理由を教えてください>

もともと、個人名義で組んでいた不動産ローンがありました。

ただ、フリーランスになった時点で、

「これ以上、個人として不動産を拡大するのは難しいだろう」

という感覚はありました。

それならば、

「個人として信用を取り戻すのではなく、法人の社長として信用を積み上げたほうが合理的ではないか」

と考えるようになりました。

法人化によって、

・ローンや与信といった信用面
・社会保険・厚生年金
・傷病手当金などのセーフティネット
・収入や支出の調整余地
・節税を含めた選択肢

など、自分でコントロールできる範囲が一気に広がりました。

節税のためというよりも、長く無理なく働き続けるための器として、法人という形を選んだ、というのが正直なところです。

⑤失った信用と引き換えに、得たものは何でしたか?

<個人信用を失った一方で、得たものはありましたか?>

個人としての信用は、確かに失いました。

ただ、その代わりに手に入れたものがあります。

それが、法人格という、私自身の分身のような存在です。

法人は、単なる箱や道具ではありません。

仕事を受け、実績を積み、信用を獲得し、時には失敗しながら、少しずつ成長していく。

まるで、自分とは別の人格を持ったアバターのような存在です。

私自身が体調を崩して立ち止まっても、法人は、社会との接点を保ち続けてくれる。

「全部を自分一人で背負わなくていい」

そう思えるようになったことは、想像以上に大きな変化でした。

また、フリーランスという働き方によって、会社員時代には考えられなかった自由も手に入りました。

今は週3日働いていますが、これを週5日に戻して会社員に戻れるかと聞かれたら、答えは明確です。

「難しいと思います」

というよりも、体力的にも精神的にも、もう無理だと思います。

おわりに

失ったものは、確かに大きかったと思います。

ただ、

・何を失ったか
・その代わりに何を得たのか

まで含めて考えると、私にとっては、納得感のあるトレードオフでした。

最初から自由を求めたわけでも、会社を捨てたかったわけでもありません。

生き延びるために選び続けた結果、今の働き方に辿り着いた。

それが、私自身の実感です。

▼最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも参考になりましたら、応援クリックをいただけると、とても励みになります



Posted by かずきび