AI時代、最後に残る仕事は「決めること」だった…若手コンサルとPEファンドの分岐点〜

先日、大学入試共通テストが開催されました。
受験生の皆様におかれましては、大変お疲れ様でした。
そして、今後、高校数学のカリキュラムが大きく変わり、数学A・数学B・数学Cを再編して、統計・確率・データサイエンス寄りになっていくというニュースを見ました。
国としては、文系・理系を問わず
「AIを理解し、使える人材」
を増やしたいのでしょう。
私はコンサルタントを30年近く続けています。
現在、コンサル領域やデータサイエンス領域は活況ですので、この流れ自体は理解できます。
ただ一方で、私は少し違和感も覚えました。
なぜなら、AI・英語・簿記・分析といったスキルは、
実はすでにAI自身が最も得意とする領域だからです。
若手コンサルの武器は、だいたいAIも得意
コンサル業界の若手と話していると、よく聞くアピールに次のようなものがあります。
・AIを使った分析ができます
・英語で資料をまとめることができます
・会計・簿記は一通り分かります
・ロジカルに整理することができます
どれも立派なスキルですが、冷静に見ると、これらはすべて
「標準化でき、形式化でき、再現性が高い」
スキルです。
だからこそ、
・評価されやすい(分かりやすい)
・教えやすい
・そして、AIに置き換えやすい
若手コンサルが悪いわけではありません。
むしろ、合理的に努力した結果がここに集約されているといえるでしょう。
賢い上位層が、PEファンドに向かう理由
最近、「賢い大学の上位層ほどPEファンドを目指している」という話をよく聞きます。
このため、以前、私は次の記事を書きました。
たしかに、PEファンドは、新卒での採用・活躍は難しいのかもしれません。
ただ、コンサルや外資金融などで一定の経験を積んだ後の次のステージがPEファンドだという流れなのでしょう。
これは流行でも逃げでもなく、構造を理解した上での位置取りだと私は思っています。
コンサルとPEファンドの決定的な違いは何か。
それは、
・コンサル→提案するが、決めない
・PEファンド→決めるし、金も出す
という一点に尽きます。
PEファンドは、分析もするし、資料も作ります。
そして最後は、「この会社を買うか」「この経営を引き受けるか」を自分たちで決断します。
正解を出す仕事ではありません。
間違えたときに沈む覚悟を引き受ける仕事です。
ここには、AIの入る余地はありません。
ベテランコンサルが、当分いなくならない理由
一方で、私が属するベテランコンサルはどうなるのでしょう。
英語・簿記・ディベート・記憶力…
などのスキルは若手に軍配があがることが多いかもしれません。
ただ、ベテランコンサルの価値は、
・人脈/経験
・パイプ
・政治
・根回し
・飲みニケーション/タバコミュニケーション
といった、いわゆる「寝技」にあります。
これは決して軽視されるべきものではありません。
企業の現実は、
・正しい案が通るとは限らない
・数字が合っていても、前に進まない
・地雷を踏めば、一瞬で炎上する
こうした状況で求められるのは、
「正解」よりも「落としどころ」
です。
この領域もまた、AIが最も苦手とする部分だと思ってます。
経営者視点で見ると、話はさらに明確になる
ここで、経営者視点、特に金策を考えると話はさらに分かりやすくなります。
・銀行は数字だけではお金を貸してくれない
・事業計画は正しくても、融資が出ないことはある
・最後に見られるのは「この人が信頼でき、きちんと返済してくれるのか」
つまり、
財務分析は入り口でしかなく、最後は「覚悟」と「信用」の世界
なのです。
AIは、このステージで確実に勝利することはできません。
どれだけ精緻な分析をしても、
「この借金を背負うのは誰か?」
という問いに、AIは答えられないからです。
AI時代の仕事は、4層に分かれる
整理すると、仕事は次の4層に分かれていくと考えています。
①定型作業・処理→AI
②分析・資料・仮説→AI+若手
③調整・政治・関係性→ベテラン
④意思決定・資本・責任→経営者・PEファンド
数字が大きくなるほど、人数は減り、責任は重たくなっていきます。
そして価値は、知識量ではなく、引き受けるリスク量で決まることになります。
最後に
国はAI教育を進め、若手はAIスキルを磨いていくことになるでしょう。
それ自体は間違っていないと思います。
ただし、そこで止まると、AIと競争する場所に自ら立つことに直面します。
これから価値が残るのは、
・何をAIに任せ
・何を人が引き受け
・どこで決断するか
を意識的に切り分けられる人だと思っています。
AI時代、最後に残る仕事は、
やはり
「決めること」
なのだと強く思っています。
















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