フリーランス法で環境は変わる?…単価交渉の難しさと、もう一歩ほしい支援のかたち

私はフリーランスのコンサルタントです。
会社員を卒業して、約10年が経ちました。
フリーランスになって良かったと思える点が多いのは事実です。
ですが、改善してほしい点もないわけではありません。
今回は、そのひとつとして、フリーランス法について、見ていきたいと思います。
フリーランス法の本当の目的とは
2024年に施行された
「フリーランス法(フリーランス新法)」
は、多くのフリーランスが注目した制度改革でした。
しかし、この法律に
・報酬が自動的に上がる
・契約単価を引き上げやすくなる
という効果を期待すると、少し肩透かしを食らってしまいます。
フリーランス法の核心は、
大企業と個人の「力関係の差」によって生じる不公正な取引を防ぐ
ことにあります。
例えば、
・契約内容を曖昧なまま仕事を開始させる
・納品後に一方的に報酬を減額する
・発注取り消しを突然行う
・支払い期日を不当に引き延ばす
こうした行為を法律で禁じ、
「最低限の公平さ」
を担保するためのものです。
言い換えると、法律が整えてくれるのは、守るための最低ラインであって、単価アップそのものではありません。
フリーランスの現実:単価交渉は本当に難しい
実際の現場では、フリーランスが自分の力だけで契約単価を上げるのは、想像以上に難しくなっています。
代替可能性という壁:誰でもできる仕事の落とし穴
企業側は複数の外注先を簡単に比較できます。
特に、人を替えても大きな差が出にくい仕事であればあるほど、フリーランス側の交渉力は弱くなりがちです。
こちらがどれだけ誠実に業務をこなしても、「他にもいる」という状況では、単価アップの話を切り出しにくくなります。
組織がないという弱さ
会社員であれば、賃上げ交渉の背景には組合の存在があります。
しかしフリーランスには、個人がバラバラに存在しているだけで、交渉の後押しをしてくれる組織が基本的にありません。
そのため、交渉する場に立った瞬間から、どうしても不利な土俵に立たされやすい。これがフリーランス特有の構造的な弱点です。
スキルを磨くことは必要…でも、それだけでは足りない現実
もちろん、報酬を高めるために「スキル向上」が必要なのは言うまでもありません。
しかし現実には、どれだけスキルを磨いても、交渉の場すらない、評価の仕組みに乗れない、単価は据え置き…
というケースが多く存在します。
大切なのは、
・替えの効かない価値をつくる努力
・交渉しやすい環境が整っていくこと
の両輪だと思います。
前者は、言うまでもなく、フリーランス自身の努力や戦略によって積み上げるもの。
後者は、本来は社会制度や業界全体が、少しずつ取り組むべき領域です。
もう一歩ほしい、フリーランス支援のかたち
フリーランス法は、土俵を整え、公平なスタートラインを保証してくれる重要な法律です。
しかし、それだけでは「報酬アップ」というゴールには届きません。
・組合のような交渉の後押し
・業界ごとの標準単価の明示
・報酬の透明性を高める仕組み
こうした「交渉のしやすさ」を支える環境が整っていくことで、初めてフリーランスは大企業と真正面から対等に話ができるようになります。
まとめ:制度と努力の間にある、フリーランスのリアル
フリーランス法により、不当な扱いを受けにくくなったのは大きな前進です。
しかし、単価交渉の難しさや「組織に守られない孤独感」は依然として残っています。
私自身、10年間、契約単価を上げたことがありません。
コンサルタントはスキルがあっても、その環境や状況によっては、バリューが出ないケースも多く、単価を調整しにくいのです。
このため、自分から単価をアップさせることがなかなか言い出しにくい現実があるのです。
高い報酬をいただくためには
「経営課題に直結する成果」
が必要となってきます。
これには、クライアント側の状況にも左右されるため、フリーランス側だけではコントロールしきれないことが多いのです。
だからこそ、フリーランス社会には、
・自分が提供できる価値を高めていくこと
・フリーランスが交渉しやすくなる仕組みを社会が育てていくこと
この両方が必要なのだと思います。
制度に過度な期待をせず、淡々と強みを磨きながらも「もう少し対等に交渉できる未来」を願う…。
それが、今のフリーランスにとって最もリアルな姿かもしれません。
フリーランスが当たり前に対等な立場で契約できる…
そんな未来が、少しずつでも近づいてほしいと願っています。






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