追憶の扇町公園…謎のベンチと消えた学生相談所!

久しぶりに、大阪ローカルの話を少し。
大阪中心部、梅田の東側、東通り商店街のずっとずっと先に大きな公園があります。
その公園の名前は「扇町公園」
梅田駅というよりも、最寄りの駅は扇町駅ですかね。
現在は、キッズプラザ大阪や関西テレビ社屋で賑わう有名な場所となっています。
今回は、この扇町公園にまつわる話を2つ紹介したいと思います。
①番号がついている謎のベンチ
大阪に住んでいる人であれば、結構有名な話なんですが…。
扇町公園の南西部分の一角に、小さな休憩所のようなスペースがあります。
そこには、人が休憩することのできるベンチがいくつも並んでいます。
そのベンチが、とても不思議なスポットとして噂されているのです。
ベンチというよりも、なんとなくオブジェのような設置物のようにも見えます。
ベンチなのに、1から9までの数字が書かれているのです。
一体、この数字に、どのような意味があるのか…。
種明かしをすると…
実は、このベンチは…
もともと、プールの飛び込み台だったのです。
事情を知ってしまうと、もう飛び込み台にしか見えません。
扇町公園には、現在も扇町プールが存在しています。
しかし、90年代中頃までは、大阪市営のもっと巨大な大阪プールが扇町公園の南西部に存在していました。
これが、港区に移転されることが決定し、扇町公園から大阪プールは姿を消すことになったのです。
そこで、扇町公園に大阪プールがあった記念として、飛び込み台だけを残すことになったようです。
まだ、この飛び込み台ベンチ、行ったことのない人は、ネタにもなるので是非行ってみてください。
②学生相談所(通称:学相)でのアルバイト斡旋
私が大阪の学生だった90年代前半頃の話。
当時の扇町公園は、今よりもずっと暗いイメージだったような気がします。
暗くなってから一人で歩くのは怖いような…。
その扇町公園の南西部、道路の向かい側あたりに、小さな建物がありました。
その建物には、学生達がいつも溢れかえっていました。
その建物の正体は、一体何だったのでしょう?
正解は…
学生相談所(学相)でした。
簡単に言うと、学生のアルバイト斡旋所です。
そこへ行って、学生証を見せると、今日・明日すぐに稼げるド短期アルバイトを見つけることができるのです。
・展示品を運ぶのを見ているだけの暇すぎるアルバイト
・ほとんど休憩なしで紙を出し入れする忙しすぎる印刷所のアルバイト
・さまざまな人とおしゃべりしながら楽しくできる飲食店のアルバイト
さまざまな種類のアルバイトがありました。
だいたい1つにつき1万円くらいの相場でした。
明日までに1万円が必要な学生は、学生相談所へ行けばよかったのです。
当時は、今のようにインターネットもなかったので、原始的な職探しでした。
もちろん、人気のあるアルバイトの競争率は高いものでした。
定員3名のところに10名が希望すると、なんとまさかのジャンケン。
私もジャンケンに勝ったこともありましたし、負けたこともありました。
友人同士(セット)で来ている人もいたので、譲ったこともあったような記憶があります。
とにかく、お金の欲しい学生とアルバイトをマッチングしてくれる素晴らしい場所だった気がします。
しかし、学生相談所は、私の知らない間に、姿を消していました。
噂によると、2000年代半ば頃に、扇町の学生相談所は閉鎖してしまったようです。
いつまでも思い出の地として、存在しているものだと思っていたので、閉鎖を知ったときは、かなりショックでした。
今では、SNSとかでマッチング可能なので、もう学生相談所でジャンケンする文化が復活することはないんでしょうね…。
なんとなく寂しい限りです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません